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本の修理について


某SNSで修理について情報を探している方がいました。
ぱっくり割れた本は児童書かなと推測。
以前、小中学校勤務していた頃は月1修理デーにしてたなと懐かしく思い出しました。
ページの抜けや絵本の綴じ糸が切れた時の簡単な修理は研修で学んでいました。
が、応用編についてはまだまだ勉強不足。
出版社ごとに製本の仕方も違うので修理といっても一筋縄ではいかないことも。
あの頃はみんな何を参考に修理していたんだろう。
今はSNSで発信して情報交換できていいな、と思ったりします。

修理についての研修会に参加して本格的に学ぶことが手っ取り早い方法ですが、なかなか近場でやっていないことや、時間とお金がなどそれぞれの事情で参加が難しいですよね。
私も田舎の学校勤務なので研修会や講習会自体身近では少なくいので学べる場が少しでもあればなぁと思っています。

自分でできることから

みなさん、修理をする前に本の構造は完璧ですか?
本の製本に関する本などに載っている本のパーツの名前や役割ですね。
私はあんまり覚えてません。司書何〇年目なのに?完璧なのが当たり前でしょ?それなのに修理について書くの?
などと思った人も多いかもしれません。
いや、完璧ならいいんです。それなら修理もお手のもの。
それは本当でしょうか?
きちんと名前と役割がわかっていたら、修理も完璧なのでしょうか?
私は違うと思います。
だって新品の本と壊れるまでボロボロになった本には大きな違いがあると思うから。
本の装丁にもよると思いますが、何度も開かれた本は最初の綺麗な形を保てていないからです。
特に今はソフトカバーの本が多く壊れやすい。
(ソフトカバーでなくても某出版社の児童書は壊れやすいと評判なんて話も聞きます)
修理が完璧にできる司書は、それ専門に仕事をしているのではないかと、私は思います。
公共図書館ではなく、学校図書館には司書は一人しかいませんので、修理専門の人がいるなんてまずないでしょう。
他の仕事もあるし、修理は先送りになることも。
簡単なページ抜けなんかはささっとできますが、ぱっくり割れた本の修理はさらに先送りになります。
きちんとした修理は時間もかかるし、材料をそろえたりしなければなりません。
そして年度末になったり・・・
そんなことにならないように、自分なりに修理に使える材料を見つけておけぱっくり割れの本にも対処できるよね、などと考えています。

和紙の存在

ソフトカバーのぱっくり割れ本には和紙をあてがって修理すると少しだけですが、延命治療ができます。
和紙、特に半紙は製本テープと違い、薄いですが表裏がありボンドがしみにくく、やわらかいので表紙に密着してくれます。
写真を入れたいのですが、手元にぱっくり割れるほど働いた本がないため申し訳ない。
表紙ありの本なら修理箇所が表にでることないので、挑戦しやすいのではと思います。
使う量も少量だし、学校なら1枚くらい分けてもらえるのではないでしょうか。
学校図書館の本は、除籍されない本は郷土資料くらいなもので(学校ごとに違うと思いますが)利用年数が数年伸びるくらいで十分だと思います。
そんなテキトーでいいのかと思いますが、修理を頻繁にしていた頃は何度も和紙のお世話になりました。

修理を難しく考えない

自分の本じゃないし、研修をしっかりしてから修理したいなんて思ってると破損した本の旬は過ぎていく可能性があります。
読み手の旬から外れた本はまた次の誰かに選ばれるまで書架で眠ることになります。
そうならないために、修理を難しく考えず、自分に合った簡単な方法をいくつか見つけておくと応用が効いていいのかなと思いこの記事を書いてみました。
よく読まれる本、揃えておきたい本を買い直しできるほどの予算が潤沢にあることが一番なのです。が、そんな図書館は少ない。
特に学校図書館は未だに1~2校兼務なんでところが多い地域もあるそうなので、修理に時間をかけられないってこともあるだろうし。
全国の図書館に司書も予算もきちんといきわたる世の中になって欲しいです。


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