見出し画像

5月10日は別れの季節

忘れもしない5月10日。

小学5年生
父親の仕事の転勤で
大好きなM市からお引越しすることが決まった日です。

ズーンってイラスト描いてる。笑


この日のことはよく覚えています。

リビングでNHKの天才てれびくんを観終わって
そろそろ宿題しなくちゃな
と思っていたところに
母がキッチンからやって来て
神妙な面持ちで口を開きました。

「転勤が決まったって」

昼間
私が学校へ行っているあいだ
父が会社から電話で知らせてくれたそう。
辞令をもらってすぐの報告でした。


転勤。
その言葉を聞いた時の衝撃たるや。


これまで沢山の転校生をお迎えしてきたけど
まさか自分が転校生になるなんて。

そろそろ転勤かもねなんて大人たちは言ってたけど
まさか本当にお引越ししなくちゃならないなんて。

信じられない。
信じたくない。



お友達みんなとお別れをして
私は転校生として新しい場所へと移る。

そんなこと
ショックと同時に
どこか現実味がなくて
茫然としてしまいました。



ちょうどこの頃
国語の時間に
「五月になれば」っていう単元をやっていたんです。たしか。

小学5年生の主人公(男の子)が
転校することが決まって
少し成長してゆくような
そんなお話だった気がします。


記憶がおぼろなんですが
鮎釣りのシーンなんかが出てきて
ちょっとノスタルジックな雰囲気もあったような。


主人公の彼に重ねちゃいましたね。
当時の自分を。



このあと
クラスのみんなは私のことをすごく惜しんでくれて
盛大にお別れ会もしてくれて
夏休みに入ってすぐ
私は引っ越しました。


海を越えた遠い県外へのお引越し。
もうM市には金輪際戻ってこれないかと思うと
怖かった。寂しかった。


5月10日は私にとって
胸がきゅーーっと苦しくなるような
切ないお別れの匂いがする日です。


それでも
まだこの頃はこんなメモを残してるほど
無邪気な前向きさは持ちあわせていた。

本当に辛くて大変だったのは
転校したあとだったんだな。
これが。

今となっては
全て青春の思い出。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?