首相演説「楽しい日本」って何?

◆よく言うよ「楽しい日本」の逆をやり
 石破首相が国会の施政方針演説で「楽しい日本」を目指すというスローガンを掲げましたが、言葉とは程遠い現実をつくつてきた反省もナシです。
 首相は、「楽しい日本」とは「すべての人が安心と安全を感じ」ることだと言いますが、自民党政治で30年にも及ぶ経済の停滞衰退、暮らしの難儀が続いています。
賃上げや年金はどうする?
 首相は「物価上昇に負けない賃上げ」を主張します。しかし、企業の生産性向上への支援などこれまで成果の上がらなかった施策ばかりです。賃上げには、空前の利益を上げている大企業の内部留保を賃金や中小企業への直接支援に回すことが不可欠ですが、それには言及ナシ。
 野党も賃上げを主張しますが、最低賃金引上げの政治責任を追及するに至りません。大企業の内部留保を還元すべきというのは共産党のみです。
 国の年金は25年度1.9%増というものの物価上昇に追いつかず実質0.8%減です。13年以降累計8.8%の目減りです。これは自公政権がマクロ経済スライドを仕組んだためですが、当時反対したのは共産党・社民党で他の野党は賛成。今も立憲民主党や国民民主党は、マクロ経済スライドは重要として廃止には賛同していません。
暮らしの安心には、生活のために最低限必要なお金には課税しない基本があり憲法第25条の生存権に基づく定めなのに、課税最低限額は1995年以降改定ナシでした。自公のみならず民主党や続く「ゆ党」も同調でした。
いま「103万円の壁」などメディアで持ちきりですが、ゆ党が総理指名投票で野田氏に投じていれば沢山の壁を壊せたのに、しなかったワケと本音、背景を見抜く必要があります。
手取りを増やすには消費税の廃止を目指した緊急減税に踏み出すべきです。これに賛同しない野党は国民多数の暮らしをどう考えてるのか?
 低年金や介護体制の崩壊などのなか、社会保障の拡充も必須です。しかし首相は、社会保障削減計画である「改革工程」を着実に進めると主張。維新が社会保険料引下げ・社会保障圧縮を言うのは「世代間公平」の名で現役と高齢者との分断対立を招き、現役がトシとれば難儀になる政策です。
首相は「政治改革」の核心である裏金問題の真相解明にも、企業団体献金の禁止にも言及ナシ。
企業献金禁止に野党が揃うとしても財界に近寄っているゆ党の曖昧発言も看過できません。
 首相が大企業の内部留保や消費税に切り込めないのは「企業献金と一体の財界中心政治」にどっぷりとつかっているからです。
安心安全は平和でこそ
 国民の安心・安全の大前提は、戦争の心配のない、核兵器のない世界をつくることです。核兵器禁止条約の署名批准は増えつつあるのに首相は核兵器廃絶の課題には一言も触れません。
 トランプ政権が更なる大軍拡に圧力を強めようとしている時、首相は「日米同盟を更なる高みに引き上げる」と述べました。日米軍事同盟絶対視で、国民を戦争の危険にさらす歯止めなき大軍拡の推進は許されません。
 首相は、ミサイル攻撃など想定のシェルター確保も表明。地震対策より軍拡に血税注ぐ根底に安保条約と安保3文書があります。これに反対しない野党には平和外交推進の姿勢も熱意も見えません。立民党が改憲阻止でなく議論に応ずる姿勢は如何なものでしょうか。
国の基本・憲法を守る姿勢・方針が異なるのに「野党」というだけで参院一人区確保のため予備選を提起しても様々な法案賛否で態度が問われます。
財界本位・米国言いなりで歪み切った政治の転換を求めスジを通しブレない共産党を伸ばしてこそ楽しい日本への道が開けてくると思います。

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