大海を知ることなき魚たちの小さな群れ(夢日記)
夏祭りの雑踏を、物売りの喧騒にまみれて、
紅い旗袍を着た少女が、人の群れを縫うように歩いていく
りんご飴の甘い香り、葱餅の焼ける油の匂い、裸電球の光が大海を知ることなき魚たちの群れを照らしている
ぼくは母を探していた。いまだ逢ったことのない母の姿を。
長いつり橋を渡り坂を下ると、青く澄んだ河辺があり、そのほとりに上宮が鎮座していた。宮の広間には、お刺身や羊肉やライチやらの御馳走が並べられ、獅子や巫女たちが座して楽しそうに歓談している。
河辺には、あの紅い旗袍の少女が独り座っ