優未のような生きかたも良いなあ(「虎に翼」感想)

 「虎に翼」を最終回まで見終えて、私は「フルタイムのお勤めを辞めたい」という思いを強めた。

 優秀な努力家が多く登場するこのドラマには少し疲れも感じていた。
 そこに、最後で優未が細々といろいろなことをする日々を送ることが描写されていたのは、私にとって救いだった。優未の細々生活も恵まれた資産や教養あってのものではあるが、もし優未まで順調に寄生虫研究で成功したら、一握りの強い成功者ばかり見せられても・・・と、ドラマから心が離れたかもしれない。

 私は、寅子の母はるさんや花江のように主婦がかなりがんばらないと家庭が回らない状況でもないのに専業主婦になっちゃだめなんじゃないかという強迫観念のようなものを持っていた。
 就職氷河期のなか正規職で就職したということで自尊心を保つことができた気がしたし、夫とも対等でいられるような気もした。
 なんか違うよね。

 若い頃とは考え方も変化した今、ちょっと仕切り直したい。
 優未のようにやりたいことを選んで生きていけたら最高かも。はるや花江も家庭で幸せそうだった。

 「虎に翼」を見始めたときは女性の社会進出について鼓舞される一方かと思ったのに、こんな感想で終わることになるとは意外だった。