題名の「社会の矛盾を生きるために」がとても心強い。生きていたら矛盾だらけだから。(きっとIIYY Projectのお二人にも響く内容ではないかと思い、IIYY Projectシリーズとして投稿してみました。)
中島岳志(政治学者・東京工業大学教授)はIIYY Project(#IIYY)の関連で週間文春に取材されていたことから知った人で、その後いくつか著作を読んですっかりファンになった。
森崎和江はお名前だけ知っていたけれど、先日のNHK「森崎和江 終わりのない旅」を偶然見てから読み始めた。
『日本断層論 社会の矛盾を生きるために』は、森崎和江に中島岳志がインタビューする形式のもので、話し言葉だからとても読みやすい。
特に好きなエピソードは『警官も味方に』という部分で、「アカだそうだから見張れ」と言われて森崎和江を見張っていた私服刑事が、森崎和江と同じく詩人とわかったこと。そして北九州の警察署でからゆきさんについての資料を「ごっそりと」見せてくれ、その後一緒にインド旅行までしたことが、まるで朝ドラみたいだった。
ちなみに中島岳志の知っているインドと森崎和江の知っているインドは、訪問時期の関係で時代が違うとのこと。