「Z世代のアメリカ」(三牧 聖子)

 藤井風を大好きになってから日々インターネット情報に触れるうち、時々SNSで急に出てくる論争の存在を知った。紙に固定される前の段階だから、ネットチェックをする習慣がつく前は知らなかった。「一部の人とはいえ、そんなことで盛り上がってしまうの?」という驚きがあった。

 1997年から2012年生まれの人をZ世代という。藤井風は1997年生まれなのでZ世代に含まれる。本書はアメリカについて書かれているが、世代としては藤井風を思って読めばいいのねと思いながら読んだ。

 この本の中で、印象的だったキーワードは「キャンセルカルチャー」、「中道であることの難しさ」。それからアフガニスタンとそこで活躍された中村哲氏についての記述が何度か出てきて、著者が中村哲氏を尊敬していることが感じられた。

 情報量の多い新書で、断片的に入ってくるニュースの背景がわかった気がした。