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適応障害体験記⑥〜教室が私の居場所だった〜

この記事では、こちら↓の記事の続きを書いています。
ぜひ、読んでいただけると嬉しいです。

ああ、ドキドキが止まらない・・・

職場復帰1日目、いよいよ子供達に会う日がやってきました。
子供達は、どんな様子かな。
私は、子供達に受け入れてもらえるかな。
そんな不安な気持ちと、早く子供達に会いたいというワクワクする気持ちでいざ、教室に向かいました。

先生!!!!!!!!!

「おはよう!」
自分が出せる一番明るい声を振り絞って、そう挨拶をしながら教室に入りました。
すると、
「先生!!!!!!!!!!!!」
とクラスの子供達が私の周りに飛んできてくれました。
「うわあ、先生って呼ばれるの久しぶりだなあ」と胸がいっぱいになりました。
「先生、体調、大丈夫?」
「先生、身体辛くない?」
「先生、ずっと会いたかった!!!」
「先生、いなくならないでね、、、!」
そのあとはもう朝の会が始まるまで、同時に何人もの子供たちに話しかけられる状況に狼狽えていました。子供たちの温かい言葉に、救われました。
子供達は、何て優しいんだろう、、、と感無量でした。
その時の私はもう、泣きたいほど幸せでした。
教室に帰ってきてよかった、それしか思いませんでした。

朝の会、“先生の話“で

朝の会。子供たちに向けて、私が話をする時が来ました。
前日に黒板に書いておいたメッセージをまずは、読み上げました。

これが、当時の黒板です。

普段、あんまり人の話を最後まで聞くことがない子供達が、この時ばかりは全員顔が上がって、こちらと目を繋いで真剣に話を聞いてくれました。
シーンとした教室に私の声だけが響いていました。
子供たちの表情から、私はまだ担任をやれる、という確信が湧いてきました。

一人一人へ手紙を渡す時間

前日に書いた28人分の手紙を渡す時が来ました。
「先生の思いを、一人一人にちゃんと伝えたいと思い、お手紙を書きました。受け取ってください。」
そう言って、一人づつ子供の名前を呼んで、手渡ししました。
28人分渡し終えた時、教室を見渡すと子供たちが食い入るような目で手紙を読んでいました。
読み終わった子から、ぽつりぽつりと涙を流し始める子、早速手紙の返事を書き始める子、ジーンと何とも言えない表情をしている子供、ニヤニヤして嬉しそうな子供、隣の友達にヒソヒソと話しかけて口角が上がりっぱなしの子供など色々いました。
色々いたけど、ここが学校であるということが信じられないくらい、しっとりとゆったりとした、綺麗で静かな時間が流れていたのを今でも覚えています。

一番嫌いな学校という場所に私の居場所があった

私は、パワハラの一件で学校が大嫌いな場所になってしまいました。
それなのに、私は子供たちと過ごす教室が自分の居場所だと気付いてしまいました。
こんなにも私のことを待ってくれている子供たちがいる、
自分を求めてくれる子供たちがいるなんて、病気休暇に入る前の私は気付いていませんでした。
でも、パワハラ経験によって、子供たちから一度距離を置いたことでそんな大切な尊い事実に気づくことができました。

私の居場所が、あの子達がいる教室であるように、
あの子たちの居場所が、私のいる教室かもしれない。
傲慢かもしれないけれど、1日目を終えた私には心からそう思えました。

だから、私はこれから毎日この“居場所”に帰るつもりで学校に行こうそう決心して学校を出たのでした。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
感動的だった子供たちとの再会を終えた後の私は、それでもやっぱりパワハラ上司と同じ職場で働く環境から逃れられない辛さに直面します。
次の記事では、そのことについて書いてみます。

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