一夜の口づけ

「モグモグ」

彼女が食べているきゅうりの先を俗にいうポッキーゲームのようにくわえていけば自然とキスできるんじゃないか。安易というかなんというか勢いだけの青年だったんだと思う。
そしてその勢いは酒の力で押され、彼女が食しているきゅうりをくわえた。

そしてそのまま彼女の唇へ

あっという間の出来事だった。
また周りも見ていなかったのか、まさかそんなことをしているとは思っていなかったのか。とにかく盛り上がることもなく、引くこともなくキスできてしまったのだ。
本当にしたのか?疑問ではあったが2回目のキスで目の前の後輩の言葉でようやく確信に変わった。

「イニさんなにやってんすか!?」

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