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電子レンジでスマホ機密は守れるか?「スノーデン」映画レビュー:プライバシーと倫理の境界/

映画「スノーデン」の中でスマートフォンを電子レンジの中に置いて通信を遮断するシーンがありました。試しにやってみたのですが、完全には機能しないことがわかります。

電子レンジとスマートフォンの通信遮断について

  • 電子レンジは2.4GHzの電磁波を使用して食品を加熱します。この周波数はWi-Fiの一部と同じであり、一般的なスマートフォンの通信周波数とも一致することがあります。

  • 電子レンジのドアには微細な穴が開いており、これは内部の視認性を高めるためです。これらの穴は電子レンジの電磁波が漏れないように設計されていますが、外部からの電話信号などの電磁波が侵入する隙間としても機能します。

  • 電子レンジの庫内にスマートフォンを置いても、ドアの隙間から電波が入るため、通信が完全には遮断されません。

と、ここまでは余談です。


発見と感銘:個人の行動が世界を変える可能性

映画「スノーデン」は、ただの政治ドラマではなく、個人が巨大なシステムに立ち向かう勇気を描いた作品です。

エドワード・スノーデンという一人の男が、個人のプライバシーという基本的人権を守るため、世界最大のスパイ機関に挑む様は、大きな発見でした。彼の行動からは、一個人が社会に与える影響の大きさを実感させられます。特に、彼が直面した選択の重さと、それに伴う倫理的ジレンマは、観る者に深い共感と問題提起を促します。

一般的な感覚とのギャップ:愛国心の新たな定義

多くの人々は「愛国心」という言葉を国家への盲目的な忠誠と解釈しがちですが、スノーデンの行動は一般人にとっては理解が難しいです。
彼は、国家の暗部を暴露することで、真の愛国心―すなわち国民の権利と自由を守る行動―を示しました。これは一般的な感覚とは異なる視点であり、彼の決断は国家の安全と個人のプライバシーの間でどうバランスを取るかという、現代社会における大きな議題を提示します。

オリバー・ストーン監督のリアリスティックな描写
オリバー・ストーン監督はこの複雑なテーマをリアリスティックに描き出し、スノーデンが直面した内面的葛藤を繊細に捉えています。映画はドキュメンタリーのようなリアリティとドラマチックな演出が融合し、視聴者に強いメッセージを投げかけます。監督の手法は、単なる事実の羅列ではなく、その心理的な深みと個人的な犠牲が何を意味するのかを掘り下げています。

まとめ:私たち一人一人の倫理観が問われる時代

「スノーデン」は、ただの事件を描いた映画ではありません。それは、私たち一人一人がどのように倫理的な決断を下し、行動するかを問う作品です。

映画を通じて、現代社会におけるプライバシーの重要性、個人と政府の役割、そして倫理的な行動がどれほど重要かを考えさせられました。観る者にとって、映画の終わりは終点ではなく、自身の倫理感を磨く新たな始まりの場となるでしょう。

この映画を見たことで、個人の力と社会的な影響の関係について、より深く理解し、反省する機会を得ました。スノーデンの勇気ある行動は、個々のプライバシーが如何に大切か、そしてそれを守るために我々がどう立ち向かうべきか、という強いメッセージを私たちに残しています。

国家とプライバシーを守るための倫理観ある行動とは?
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情報がブラックボックス化するAI社会の永遠のテーマです。

読んでいただきありがとうございます。
こちらから映画をご覧いただけます。


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