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好きな小説紹介 #1『深夜特急』

気まぐれで始めた好きな小説を紹介するコーナーです。次回があるかはわかりません。
今回紹介するのは『深夜特急』という沢木耕太郎さんによるノンフィクション長編小説。
以下にあらすじを引用します。

26歳の沢木耕太郎は、軌道に乗っていたルポライターの仕事をすべて投げ出し、香港へと旅立ち、陸路2万キロをバスでロンドンまで目指す旅を始めた。なぜユーラシアなのか、なぜバスなのか。確かなことは自分でもわからなかった。ただ、地球の大きさをこの足で知覚したかったのだ――。

「深夜特急」公式サイト | 新潮社

香港からロンドンまでバス(とフェリー)のみで旅をするという,荒唐無稽なことを実際にやってのけた沢木さん。
生き生きと描かれるリアルな人々の描写は,実際に旅をしているかのような臨場感があります。
私たちは学校の授業やテレビ番組などで海外のイメージをなんとなく持っていると思います。
香港は経済特区だから中国だけど中国っぽくないだとか,インド人はカレーを食っていてガンジス川でお清めをするだとか。
そういった知識によって想起されるその国のイメージは,実際に訪れることでしか得られない「生の実感」とは異なります。この本はその「生の実感」を疑似体験させてくれます。
長さが文庫本6冊分もあり,私は読み終えるのに1年くらいかかりました(途中さぼってた時期あり)。読み終わったときには,長い旅を終えたかのような満足感と寂しさがありました。
余談ですが,将棋界の天才藤井聡太さんは,この本を小学生のころに読破しただとか……。おそるべし!


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