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天保十二年のシェイクスピア観劇(日生劇場)

先日ミュージカル、天保十二年のシェイクスピア観劇してきた(2024.12)
作品の構成、演者のレベルともに高く満足のいく舞台で観てよかったと感じた、のだが、モヤモヤも残る舞台だった。

良いところは沢山あって、主演の浦井さんはセリフまわしも良く歌も上手く、悪役が似合う方だったし、王次役の大貫さんは出てきた瞬間からキラキラオーラを放っていた。殺陣もカッコよかった。
一番好きだったのは中村梅雀さん。ドラマでは昔からよく拝見していたけれど、生で見れる日が来るとは。70歳近いはずだけど、後ろでんぐり返しを2回もしておられ、ちょっとしたダンスも軽やか!
女性陣も演者としては皆さん魅力的だった。
実質的にはこの舞台の座長で主演級に出番の多いストーリーテラーで百姓役の木場さんも素晴らしかった。
言葉遊びの感じも、ちょっとこちらの知的レベルを試す感じでうん?と思わなくもなかったが、まぁ字幕付けたり分かりやすくする工夫もあったのでよし。

良い舞台だったからこそ自分のモヤモヤの正体は何なのか?1日考えた。

序盤から主に設定に古さを感じた。天保十二年なんだから当たり前だけど、そういう事ではなくて、元は古い舞台をリニューアルしてるんだとわかる感じ。調べたら1974年が初演らしい。人物設定や旅篭の設定なのかな。
ストーリーには救いがなくみんな死んでしまう。
桶屋と浮舟大夫だけは本編とは関係ないし幸せになって欲しかった。
性描写も多くて好みではないかな。
だけど一番のモヤモヤは、多分女性の描き方だ。
「強い女性」を描きたかったようだが、私には「男性に媚びなければ生きられない女性達」に見えてしまった。自分がのし上がる為に男を利用する、というより代わりに男に成り上がってもらおう的な感じかな〜。
もう一つは、主役の三世次の魅力が描ききれなかったように思う。
群像劇だから、それぞれの出番が少なめなので仕方ないが、悪人としてもう少し魅力的に描いて欲しかった。勿体無い。

それと、これは仕方ない事だけど、観劇前日に東宝ナビザーブからチケット割引販売のお知らせがきた。私は先行販売でB席を購入し、定価5000円でプラスまあまあな手数料(東宝ナビザーブではない)だったが、平日S席8000円、A席5000円というね。せめてA席プラス1000円くらいにしておいてほしかった。

カーテンコールは客席降りもあり楽しかったが短いので、本当は手拭いくれる日でみんなでお化けになるはずだったらしいけど、戸惑ってる間に終わった。
上から見ていて、客席でお化けになってる観客見当たらなかったけど、見えなかっただけかな。
手拭い渡すときか、カーテンコールの前に説明があったらよかったかも。

チラシ
手拭い

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