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罠に嵌った獲物 ♯10

前話は下記の「♯9」です。

美咲が会議室に入ってくるのを見て、俺は内心で笑みを浮かべた。
彼女の声が震えているのが聞こえる。
緊張で眠れなかったのだろう。

俺は冷静を装いながら、コーヒーを飲んでいた。
美咲が入室すると、その香りに少し安堵したような表情を見せる。

「そこに座りなさい。」

俺は美咲に椅子を指示した。
彼女は俺の表情を窺っているが、いつも通りの冷静さを保っている。
美咲の不安が高まっているのが手に取るように分かる。

「昨晩のことについて、説明できるかな?」

「はい...」

美咲は全てを話し始めた。
取引先からのセクハラ、社長の対応の不備、そして社長室での行為の理由。彼女の話を聞きながら、俺は計画の次の段階に進む準備をしていた。

「私の行動は許されるものではありません。どんな処分でも受け入れます。」

「いや...こちらこそ申し訳ない。君の悩みに気づかなかった。」

美咲の驚いた表情を見て、俺は内心で満足した。
彼女の予想を裏切る反応を示すことで、さらに彼女を混乱させる。

「佐藤さん...佐藤さんが謝る必要はありません。私がもっと上手く対処すべきでした...」

「いや、我慢する必要はないんだ。今後は悩みがあれば私にも相談してくれ。ただし、昨日の行為は別問題だ。」

そう言って、俺は紙とペンを取り出した。
ここからが本題だ。

「社長室で行ったことを、全て詳細に書き出しなさい。」

「...え?」

美咲の驚愕の声を聞いて、俺は計画が順調に進んでいることを確信した。
彼女を完全に支配下に置くための最後の罠が、今まさに展開されようとしていた。

つづく

#官能
#女
#男

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二宮 潤一|大人の女と男を語ります。
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