なぜ非認知能力が子どもの未来を豊かにするのか➁
前回の記事で、貧困は自己責任という考え方が日本が圧倒的に多く、
他人に無関心で自己責任論が非常に強い日本であるが、
将来豊かな人生を過ごせるかは、
幼少期の非認知能力で決定的に変わるという話をしました。
5歳までの教育が、人の人生を左右する。
2000年にノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授はそう指摘し、近年、教育政策の分析に力を入れています。
少子化に伴い、
未就学児の幼児教育から受験まで、
教育産業の囲い込み競争が過熱する日本。
「格差是正のためには、幼少期の子供とその親に対して働きかけをすることが大切だ」などと主張するヘックマン教授は
就学前に子どもの非認知能力のスキルを育てることが重要としています。
非認知能力とは?
人間の総合能力は学力、IQ、記憶力の認知能力と、
社交性、 協調性、やり抜く力、自制心、思いやり、信頼、自己肯定感、 勤勉性などの非認知能力(人間力)で構成されています。
こ れまで学校教育では、
認知能力が評価の基準とされたのに対し、
非認知能力は評価されてきませんでした。
しかし、ヘックマン教授の研究により、
人の役に立つ、社会的に成功した人になるには
認知能力よりも非認知能力が大きな影響 を与えるということが明らかにされました。
さらに対人関係から培われる非認知能力を鍛えることで認知能力が次第に高 まることも実証されました。
なんで非認知能力が世界でブームなの?
理由は3つあります。
学力だけ高くてもビジネスで成功できないから
非認知能力が高いと学歴や年収が上がる!研究結果がでてきた
変化の大きい時代に対応するには非認知能力が必須
日本の学力偏重主義はもう古いですね。。。
非認知能力が高ければ学歴や年収も上がるの?
たとえば、このような考え方ができるますよね。
自制心があれば、目先のゲームなどの誘惑に負けず勉強できる
自己肯定感があれば、少し点数が悪くても前向きにがんばれる
やり抜く力があれば、困難な課題にぶつかっても乗り越えられる
子育てしていると、
「早期教育がよい」とか、
「どこの教材が良い」とか学力を上げる手段ばかりに目が行きがちですが、
非認知能力を鍛えることで認知能力にも大きな効果をもたらします。
非認知能力を身につけるため必要なものは
環境(人間関係)であります。
非認知能力は教えることのできるスキルというよりも、
子どもを取り巻く環境から生まれるわけですが、
この環境とは、場所やより良い道具を与えるというような物質的な環境ではなく子どもに対する親(養育者)の接し方が大切であります。
つまり、子どもたちの将来を豊かなものにするためには、環境要因を変えることで特に子どもたちが接する大人の行動や態度を改善することが大切なんです。
子どもが発達面で極めて重要な環境は家であり家族であり特に親の反応により子どもは世界を理解するのですね。
子どもが片言の何気ないおしゃべりに対しても、大人は仕草や表情や言葉で反応を示す必要があります。
例えば、
『そーねーピーポーピーポー来たねー』『どこに行くんだろねー』と
大人にとっては当たり前の日常でも子どもは世界を感じる貴重な環境なわけです。子どもの興味事や遊びごとに親が関心を持つことが大事なことです。
メンタリストのDaigoさんもある研究結果を言っていました。
「子どもが遊んでいるのを親が関心を持って見ている方が、見ていないのに比べて4倍集中力が高まる」みたいですね。
とはいえ、親も家事や仕事があり全てに関心して反応することは難しいですが、忙しい中でも「表情」や「目線」だけでも【言葉のいらないコミュニケーション】を大切にしていきたいものであります。
まとめますと、
日本でも増え続ける子どもの貧困から
豊かな社会へ進むキッカケである大事な能力を身につけていくためには、早期教育などのように無理をして子どもにお金をかけなくても、親がストレス無く穏やかな態度で子どもに接する方が良い影響を与え、一緒に過ごす環境を整えることを意識していきましょう。
親の影響力は偉大であります。
子どもたちの生きる未来を一緒に築いていきましょう。
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