10年振りにFF8を遊んだ話(前編)
第一章:因縁と運命の精算~果てなきやり込みが幕を開けた~
突然だが、皆さんには『マイフェイバリットゲーム』があるだろうか?
筆者には述べ15年以上の付き合いになるゲームがある。名前を『FINAL FANTASY VⅢ』という。
「いや、その世代ならFF7やないんかい!」と石を投げられそうだが少し待ってくれ。
親戚のお下がりで7と8を貰って遊んでみて
倒した敵が赤く消えるポリゴンがこわいゲームと
リアルに倒れてグラフィックも大人っぽいゲーム、
小学生の筆者には後者が気に入ったってそれだけなんだよ。マジで7怖かったんだもん!
「カッコいい!」というそれこそ小学生並みの感想だけで8を遊び始めた筆者に待っていたのは、
既プレイ者なら納得の多数のつまずきポイント。
「ジャンクションってなに?つかうと減る魔法を装備するの?訳わかんない!」
「魔法ってドローでしか手に入らないの?」
「レベル上げてもそんなに強くならないんだけど!」
スクウェアは独特なゲームシステムばかり出す企業のイメージ、あると思います。
時にボワっと開けた魔法のランプから出てきた赤いデビルマンに延々といじめられ、
エスナがドローできることもフェニ尾で確殺できることも知らずに状態異常連打で影武者ゾンビにボコられ、
ミサイル基地ではビームキャノン連打で消し炭にされまくり、
バラムで戦う風神雷神が単純に強くて勝てなかったりと大苦戦。
近所の本屋で偶然見つけたアルティマニアを即座に購入してやっとクリアした覚えがある。
何も知らないで戦うアルティミシアって普通に強いんだよな。主にショックウェーブパルサーが。
その数年後、
GFやエンドオブハート含めた全最終武器作成など昔取りこぼした要素の回収や、
ロクに味わう暇が無かったメインストーリーの振り返りを目指して再びプレイを開始。
この頃にはゲームシステムにも慣れて普通にクリアできるようになったが、
攻略本であるアルティマニアを読みながらプレイしている時、
その桁外れの数値でどうしても心を惹かれるヤベー奴がモンスター図鑑の一番後ろに鎮座していた。
ご存じ隠しボスのオメガウェポンである。
基礎ステータスがまぁ凄いわ、載ってる特殊技が強いやつばかりだわで読んだだけで実際戦ってないエアプの筆者は戦慄したものだ。
だって訳分からなくないですか?
全体に固定9998ダメージのメギド・フレイム
単体に固定9999ダメージで問答無用の確殺を決めてくるリヒト・ゾイレ
防御しないと死ぬことぐらいしか読んでて分からないテラ・ブレイク
全体に現HPの3/4分ダメージ、おなじみのグラビジャ
ポーションを投げ続ければずっと硬直させられるとかこれらの行動が実はルーチンで決まってるなんて知る由もないので
「これ全部ランダムで飛んでくるの?勝てる訳ないじゃん……」と勝手に一人でビビっていた。アイエエエ…
そんなオメガウェポンに対して筆者は恐怖心のあまり本体蓋開けジエンドとかいうあんまりすぎる禁じ手を解禁。
結局、学生の頃の筆者はオメガウェポンを正面から打倒する事ができなかったのである……。
そして、あれから10年ぐらい経った2021年7月。
社会人となって暇な時間を作れるようになった頃、筆者はかつての自分が大人になってからやろうと考えていた一つの計画を思い出す。
『HP・力・魔力・体力・精神・早さ・運、以上7種のステータスのジャンクション無しでのカウンターストップ』。
HPは9999、その他は255を目指す限界への挑戦。
こんな明らかに時間が掛かる未来しか見えないチャレンジ、とても学生時代にやるもんじゃない。
FF8と出会って早15年。ストーリーもゲーム性も癖が強いゲームだったが、幸いながら今だにこのゲームが大好きだ。
ならば長く果てないエンドコンテンツめいた苦行すらも乗り越えられるんじゃないか?
そして、再び遊ぶならば今度は必ずと誓ったあの日の約束。
『ちゃんと真面目にオメガウェポンと戦ったらどうなるのか?』
「また遊ぶなら相棒のこれとだな」
筆者は20年物の年季が入ったPS1本体を押し入れから取り出した。
時代は既に2021年。
FF8はNintendoSwitchでHDリマスター版が発売されている。
だが筆者には曲げてはいけない気がする意地があった。
こうして15年以上に渡る戦いの終端が開いた。
意地で決めたハード選択が悲劇を呼ぶとも知らずに……。
第二章:止まらない覇道~圧倒的なパワープレイがゲームをヌルゲーにした~
ここからは筆者の手元に残っているレポートを元に時系列順で記録を記していく。
●21/7/25
⇒さっそくボスのイフリートを撃破。
まぁ普通にやっても弱いし問題無し。
重要なのは《イフリートのカード》。
FF8はミニゲームとしてカードゲームが遊べるのだが、イフリートのカードはさながらスターターデッキにぶち込んだ叢雲遠呂智のごとき活躍が見込める。
そのままバラムに行き、街の人間にデュエルを挑みカードを巻き上げることで、
集めたカードを強力な魔法や各種レアアイテムに精製できる。カードは奪った
序盤も序盤でトルネドが入手できるってFFとしては中々攻めてないか?
しかもトルネドは装備しても結構強い。
●21/7/27
⇒ドール実地試験前にクライム&ペナルティを作成。
主人公・スコールの武器としては最強一歩手前の武器だが、そんな武器もFF8はアイテム精製で序盤から作れてしまう。それでいいのか。
(※一応、これにはカラクリがありFF8は武器が強くなっても大してステータスが上がらない。具体的には初期武器から最強武器まで一気に強化しても20も上がらないのだ。)
⇒そのまま挑む実地試験。
低レベル攻略で役に立つ途中退場キャラ・サイファー先輩が突然仲間2人を戦闘不能にし1人でレベル上げをおっ始める。
FF8はパーティ3人の平均レベルにより敵のレベルが上下する方式を取っているので、どうかしたら(敵から毟り取る形で)序盤からガ系の最上級魔法が平然と入手できてしまう。
最上級とかの価値が分からなくなってくる話だ。
孤軍奮闘するサイファーは1人でガ系魔法4種×3人分回収を目論むも、悲しい事にヘッジヴァイパーの毒牙に掛かってしまう。
1人レベル上げが元々面倒くさいのと毒に掛からないお祈り蛇狩りが面倒くさいのもあり、レベル上げをここで切り上げ。お前のチャートガバガバじゃねえか
ここで筆者は、
「どうせレベル100オメガウェポンと戦うんだし平均レベル30未満に保たなくても良くね?」と思い至りレベル上げを解禁していく事に。
(※FF8を知らない方は「レベル上げってやれるだけやるもんじゃないの?」と考えがちなので補足すると、このゲームはRPGのくせにレベルが上がっても大してステータスが上がらない。一方で敵のレベルが上がるとこちらの比じゃない強さで成長するのでレベルを上げないで進めた方が楽というRPGにあるまじき仕様となっている。)
●21/8/7
⇒DISC1終了、DISC2へ。
ジャンクションを知らないとここからクソしんどいのに、使いこなすと終始ぬるぬる快適ゲーになるピーキーさがFF8の魅力。
この時点でスコールのHPが6500を超え、通常攻撃も1000を悠々と超えていく。
因縁の影武者ゾンビも、王の墓を守る牛兄弟も、カメレオン二匹も、ママ先生も一瞬で溶ける。
楽しい。楽しすぎる。強くなるための作業の果てにゲームを破壊しヌルゲーに落とし込む快感が堪らない……!
⇒今までやってなかったのでD地区収容所で紙をしばきレアアイテムのロゼッタ石を回収。サテライトのクズ
試行回数を増やせば無制限に手に入るブツではあるが、肝心のドロップ率がアルバハから落ちる合法ヒヒばりに渋かったのでモチベ壊滅ケアのため1個で終わり。
●21/8/9
⇒マスターノーグ撃破。
つまりその前に出てくる、ビームキャノンを連発する例の鉄の棺桶も当然オシャカになっている。属性攻撃Jって偉大だよな。
スコールたちの通う士官学校であるバラムガーデンが飛行戦艦となり操作可能になったので、サボテンダーアイランドの飛び地に籠もれるように。
サラッと凄いこと言ってるけどこういうところで全国の子どもに夢と浪漫を植え付けていくんだよね、そういうところだぞスクウェア。
●21/8/21
⇒DISC2終了、DISC3へ。
ガルバディアガーデン産のG.F.2種って両方とも優秀なイメージがある。特につよつよケルベロスの方。
そのまま、昏睡状態に陥ったヒロイン・リノアを背負い、デジタル鎖国をかましている東の大国・エスタに到着。
昔は「惑星外周の1/4ぐらいありそうな大陸間鉄道橋を歩いてくってフィジカルやぺえな!」って思ってたんだけど、
よくよく考えたら中継点のF.H.から歩いてるので実際の距離は半分だし、北海道最北端から九州最南端まで歩いていくのとそんなに変わらないのかもしれない。いやでも女の子1人担いでその距離歩いてるのは凄いか。
ここら辺まで来るとみんな大好きモルボルとエンカウントするのだが、ケルベロス取得でST攻撃JとST防御J×4が解禁されているので石化と混乱を100%カットしつつドレイン剣で無限にHPをちゅっちゅギガントする不死身の戦士が完成する。
ガーデンはケルベロスのジャンクションを必須項目にした方が良い。
●21/8/23
⇒FFシリーズは剣と魔法のファンタジー世界してた第1作の頃からしょっちゅう宇宙に行くのだが、FF8もご多分に漏れず宇宙にかっ飛んでいく。
軌道上にあるルナサイドベースで再会したエルオーネお姉ちゃんとやるのはもちろんカードゲーム。
宇宙に紙をしばきにいく男がここにいます。
入手機会が貴重な《ラグナのカード》と《アレクサンダーのカード》を回収したいところだが、
宇宙エリアは世界のあらゆるローカルルールが全部採用されている宇宙ルールなので控えめに言っておクソ。こればかりはクソ。
何とかマグレ勝ちで2枚とも回収。
きっとスコールくんはお姉ちゃんに泣いて土下座してるよ。
⇒FF恒例飛空艇もこのタイミングで回収。
流れでサボテンダーとグラシャラボラスのG.F.2体も取得していく。ジャボテンダー討伐ではリノアのヴァリーメテオを試してみたけど、やっぱりジャンクションでも有用な魔法のほとんどが縛られるのは面倒くさかった……。
●21/8/26
⇒海洋探査人工島に行きバハムートを撃破。
G.F.の王という触れ込みで戦う事になるバハムートだが、未プレイ者のために解説すると強いのは前座のルブルムドラゴン2連戦である。それでいいのかG.F.の王。
(※ルブルムドラゴンはパーティ全員が生存していると高威力全体物理のブレスを撃ってくるが、強化が不十分だと平然と3000ぐらい持っていく。人工島での2戦目は回復無しの連戦の上にバックアタックになるため被ダメ2倍のブレスは冗談抜きで死ぬ。FF8最強通常モンスターの称号は伊達じゃない。)
⇒G.F.バハムート取得によりついに禁断薬精製が解禁。これによりジャンクション無しでステータスカンストを狙うための○○アップ系の精製が可能に。
⇒大海のよどみの固定エンカウントでトライフェイスから呪いの爪×10000を(ラックアップに精製できるダークマター×100に変換する形で)収集し始める。
●21/8/26
⇒ほぼ同日のアルテマウェポン撃破。
つまりトライフェイス狩りに飽きている。大丈夫かこいつ?
極悪なまでの速度で固定9999ダメージのリヒト・ゾイレを連射してくるアルテマウェポンだったが、連続剣エンドオブハートで速攻沈める事に成功。
●21/8/27〜21/9/6
⇒カードクイーンイベ全コンプ&コヨコヨ以外のカード全コンプ完了。おつかいって飛空艇ないとやる気起きなくないですか?
⇒そのままルナティックパンドラ〜はじまりの部屋の魔女戦まで攻略しDISC3終了、DISC4へ。
ノイエジールもどきと紫イモムシぐらいしか面倒くさい奴がいない優しい世界。
斯くして準備は整い、いよいよ今周回の本題であるステータスカンストのための作業が始まろうとしていた。
正直に言おう。
この時まで筆者はこれからのゲーム人生5年ぐらいをPS1ひいてはFF8と心中するつもりだったし、Switchを買うつもりなんて毛頭なかったのだ。
だが2022年現在、筆者はPS1には目もくれずSwitchを優雅にしばき倒している。
果たして筆者に何があったのか。
それについては次回に記録として書き残そうと思う。
(後編へ続く)