![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/115335781/rectangle_large_type_2_66403fcaa915026c2ea9a524a0f0b243.png?width=1200)
【高齢者を守る!】せん妄の原因と対策について
1. せん妄とは
せん妄は、意識の混濁や注意力の低下、認知機能の変動などを特徴とする症状群です。突然発症することが多く、原因や症状、持続時間は患者ごとに異なります。せん妄は、急性せん妄と慢性せん妄の2つの主な種類があり、それぞれの特徴や原因が異なります
2. せん妄の原因
せん妄の原因は多岐にわたります。以下は主な原因として考えられるものです。
急性せん妄:
特徴:短期間に突然発症し、症状の変動が激しい。
主な原因:手術後、感染症、薬物の副作用、電解質の異常など。
慢性せん妄:
特徴:長期間にわたり継続的に症状が現れる。
主な原因:認知症、脳の構造的な変化、長期の入院や施設生活。
薬物:一部の薬物や、複数の薬物を併用することで、せん妄の症状が引き起こされることがあります。
生活環境の変化:入院や施設への移住、家族構成の変化など、生活環境の大きな変動がせん妄の原因となることがあります。
3. せん妄の症状と診断
せん妄の症状は患者ごとに異なりますが、以下は一般的に見られる主な症状です。
意識の変動:日中は普通でも、夕方や夜になると混乱することがある。
認知機能の低下:日常の出来事を忘れる、人や場所を認識できないなど。
幻覚や妄想:ないものを見たり、聞いたりする。誤った信念を持つことがある。
情緒の不安定:突然怒ったり、泣いたりする。
睡眠の障害:夜間に眠れない、昼間に過度に眠くなるなど。
診断には、医師による病歴の取り上げや身体的な検査、脳の画像検査などが行われます。また、家族や介護者からの情報提供も非常に重要です。
4. せん妄の予防と対策:介護者の役割
せん妄の発症を予防するため、または症状を軽減するための対策は、介護者のサポートが鍵となります。以下は、介護者が行う具体的なサポート方法です。
環境を整える:
部屋の明るさや温度を適切に調整。
夜間は適度な照明を確保し、患者が安心して眠れる環境を作る。
物の配置を変えず、患者が馴染みのある環境を維持する。
日常生活のリズムをサポート:
規則正しい食事や入浴の時間を設ける。
昼間は活動を促し、夜は静かな時間を確保する。
薬物の管理:
せん妄の原因となる薬物がある場合、医師と相談し、薬の管理を徹底する。
薬の服用時間や量を正確に守る。
コミュニケーションの工夫:
患者の話をじっくりと聞き、安心感を与える。
簡潔でわかりやすい言葉を使い、頻繁に声をかける。
患者の気分や状態に合わせて、話題を選ぶ。
適度な運動のサポート:
散歩や軽いストレッチを一緒に行う。
患者の体調や状態に合わせて、適切な運動量を確保する。
5. せん妄の治療とケア
せん妄の治療は、原因に応じて異なります。以下は、一般的な治療方法と、介護者が行うべきケアのポイントです。
原因の特定と治療:
せん妄の原因となる疾患や薬物の副作用を特定し、適切な治療を行います。
例:感染症の場合は抗生物質、薬物の副作用の場合はその薬の中止や量の調整など。
薬物療法:
せん妄の症状を和らげるための薬物が使用されることがあります。
ただし、長期間の使用は避けるよう医師と相談することが重要です。
非薬物療法:
環境の調整や生活リズムの維持、適切なコミュニケーションなど、薬物を使用しない治療方法です。
介護者のケアのポイント:
患者の状態を常にモニタリングし、変化があった場合は速やかに医師に相談する。
せん妄の症状が強く出ている時は、無理にコミュニケーションをとるのではなく、患者のペースに合わせる。
安全確保が最優先。患者が自傷行為をしないように注意し、部屋の安全対策を徹底する。
せん妄の症状が現れた場合、まずはかかりつけ医や総合診療医に相談することを推奨します。彼らは患者の全体的な健康状態や生活背景を考慮して診療を行い、必要に応じて専門医を紹介してくれます。
せん妄の治療とケアは、患者の状態や原因に応じて柔軟に対応することが求められます。
6. 在宅介護時の注意点
せん妄の症状が出ると、在宅での介護が一層難しくなります。以下は、在宅介護時に特に注意すべきポイントです。
環境の整備:
部屋の明るさや温度を調整し、患者が安心できる環境を作ります。
足元につまずきやすいものがないように注意し、安全対策を徹底します。
コミュニケーションの工夫:
せん妄の症状が出ている場合、患者が混乱しないように、短く明瞭な言葉でコミュニケーションを取ります。
患者の話をしっかりと聞き、必要な場合は適切に反応を示すことで、安心感を与えます。
生活リズムの維持:
せん妄の症状を和らげるためにも、日常生活のリズムをできる限り崩さないようにします。
食事や入浴、就寝時間など、日常のスケジュールを一定に保つことが重要です。
見守りサービスの利用:
せん妄の症状が出ている高齢者の安全を確保するため、見守りサービスを利用することを検討します。
センサーやカメラを使用して、患者の動きや生活状況をリアルタイムで確認できるサービスもあります。
このサービスを利用することで、介護者の負担を軽減し、患者の安全を確保することができます。
専門家との連携:
在宅介護が困難な場合や症状が悪化した場合は、速やかに医師や専門家に相談します。
かかりつけ医や総合診療医は、患者の全体的な健康状態を把握しているため、最初に相談するのが良いでしょう。
7. せん妄の予防と日常生活での工夫
せん妄の発症を予防するため、または症状を軽減するための日常生活での工夫が可能です。
生活リズムの維持:
定期的な生活リズムを保つことで、せん妄のリスクを低減できます。
特に就寝前や起床時の習慣を一定に保つことが重要です。
適切な栄養摂取:
バランスの良い食事を心がけ、特に脱水症状を避けるために十分な水分を摂取します。
ビタミンやミネラルの不足もせん妄の原因となることがあるため、注意が必要です。
日常の運動:
軽い運動や散歩を日常的に取り入れることで、体力の維持や脳の活性化に役立ちます。
環境の調整:
部屋の照明や音環境を調整し、過度な刺激を避けることで、せん妄のリスクを低減できます。
特に夜間の照明は、眩しすぎないように注意します。
せん妄でお困りの方へ
介護生活でせん妄の高齢者をサポートすることは、非常に大変なことであり、多くのストレスや困難に直面することがあるかと思います。
より具体的に皆様の不安や困難を解消すべく、オープンチャットを開設しました。
私にできることは微力かもしれませんが、少しでも皆様のお力になれることを願っています。ぜひお気軽にご参加をお願いいたします。