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【通勤映画館】連続ドラマW「石つぶて~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~」

【通勤映画館】毎日の通勤は片道50分。車内では映画かドラマを観ています。通勤時間が映画鑑賞、通勤手段が映画館。

ノンフィクションには力がある、と実感する作品です。原作は清武英利氏。無骨な昭和の男たちを描いた、ノンアクションの刑事もの。佐藤浩市主演で地道な捜査を繰り返す中年刑事、木崎が、外務省ノンキャリアの横領事件を暴くストーリー全8話である。

令和では壊滅しているであろう、自由奔放、独断優先、男尊女卑の刑事たち。なかでも木崎は特別で「俺のヤマに手を出すんじゃねぇ!」と上司である江口洋介の頬を平手打ち。グーでないところが屈辱的でもあります。二人のヒリヒリするシーンは中盤まで続きます。

北村一輝演じる外務省のノンキャリが愛人と高級マンションでよろしくやっている同じそのころ、木崎と斎見(江口)が蕎麦をすするシーンが対照的。けれど愚直に木崎がはりめぐらした捜査網が、次第に北村を追い詰めていきます。いよいよ決定的な証拠をつかんだ夜、いつもの蕎麦に「いなり」を追加して祝いをあげる木崎。男の生き様がにじみ出るいいシーンでした。

本作で際立つのが佐藤浩市。二枚目には難しい憎まれ役、偏屈を極めたはみだし刑事を見事に演じ、本人の気迫も充実。木崎を演じることに並々ならぬ熱意があったのを感じます。江口がまだ若い(青い)と感じてしまうほどのすごみも発揮。昭和の名優ここにありです。

余談ですがこの人、いろんな作品に出すぎてません? 主役、脇役、敵役…、役どころ構わずって感じで、まるで俳優ワーカホリックです。オファーを断らないのでしょうか? 個人的にはもう少し仕事(役どころ)を絞ってほしいですね。

私はこういうシリアスな話(しかも昭和バブル期の実話)が好きですが、地上波ではきっと流行らないですよね。その点、WOWOWさんが「連続ドラマW」としてこの手の作品を次々と手掛けています。「しんがり」「トッカイ」「諸刃の斧」「アキラとあきら」など。実は出てくる俳優さんは脇役も含めてかなり同じ。脚本家、スタッフも掛け持ちが多いらしく、「連続ドラマWチーム」と名乗っていそうです(実際にはわかりません)。今後の作品にも期待しています。

江口洋介|佐藤浩市/石つぶて

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