🌩雲の中のカミナリ小僧⚡（のんびり村のkiki番外編）

「ゴロゴロ、ゴロゴロ〜」
ここは山の上の雲の中の世界。
そして、その雲の中には『雨の妖精』や『雲の妖精』や『雷の妖精』たちが住んでいる。

そしてみんなとっても仲が悪い。

毎日のように 雨の妖精と雲の妖精が喧嘩をして、そこに『嵐の妖精』もやってくる。

毎日毎日、殴り合いの喧嘩をするような仲だ。
そんな中、雷の妖精がやってきて、

「お前たち、いい加減にしろ！いつまで喧嘩をやっているんだ！」

そうして地上にカミナリが落ちた。

ゴロゴロ〜お前たちがずっと喧嘩をやっているから、僕が怒ってしまうじゃないか。
そうやって毎日、雲の中で暮らしている。

雨の妖精が「たまにはゆっくりしたいなー。なんでお前たちはずっと怒ってるんだ」

すると雲の妖精が「お前が僕の場所を取るからだろう！ここは僕の雲だぞ！」

そして嵐の妖精が「本当イライラする毎日。こんなイライラして、もう我慢の限界だ！暴れてやる！」

で、結局、雷の妖精が「だからお前たちいい加減にしろって言ってるだろ！」そしてまた地上にカミナリが落ちた。

そんな毎日をずっと繰り返してもう何百年経つだろうか……。
嵐の妖精が僕は、本当はお前たちと仲良くしたいんだけどな。と心の中で思っているがそんなことは口が裂けても言えない。

雲の妖精は、ふかふかの雲のベッドでお昼寝をしている。
そこに雷の妖精がやってきて、「そのふかふかの枕を僕にくれよ！」と言ってきた。
すると雨の妖精が、「いやその雲の枕は僕がもらうぞ！」と言ってきた。

ここでまた雨の妖精と雷の妖精の喧嘩が始まった……。

何とも言えないそんな世界だ。

やっぱり狭い空間の中で色々なタイプが仲良くするのは不可能な気もする。
どう考えても雨の妖精と雷の妖精が仲良くできそうな気がしない。
ましてやそこに雲の妖精と嵐の妖精もいる。そんなこんなでまた地上にカミナリが落ちた。
地上では大雨が降り、嵐が巻き起こり、カミナリが落ちる。上空の雲の世界では雲の中で 毎日喧嘩をやっている。
ここで嵐の妖精が1つ提案をした。

お前たちが毎日喧嘩をするのは、この雲が狭いせいかもしれないな。少し雲を大きくしてみよう。そうすると自分の場所も増えるだろう。

なんとステキな提案だ

そうして今までの雲よりも５倍ぐらい大きい雲にやってみた。そうすると、どうだろう、それぞれが自分の場所に移動して雷の妖精のカミナリも落ちなくなった。

雨の妖精が「あーこれでリラックスできるぞ！ 最初からこうしとけばよかったんだな」

雲の妖精が「これで自分の雲のベッドをキングサイズにできるぞ！やったー。嬉しいな」

嵐の妖精が「やっとお前たちの喧嘩を見ることがなくなって、一安心だ」

そして雷の妖精が「最近イライラすることもなく、落ち着いてるな。こんなところに雲の枕があるぞ。これでゆっくりと休もうかな」

こんな感じで雲の世界は広くなることによって妖精たちの喧嘩がなくなり、平和が保たれたようだ……。

だが、カミナリが落ちないということは大雨が降らなくなってしまい、嵐も起きない。
地上に水が降らない。

そしてこの雲の世界の地上には、　『のんびり村』がある。

雨が降らないと美味しい野菜ができない。
雨が降らないと水不足になって生活が大変になってしまう。
そんな状況を見ていた、雷の妖精が「お前たちやっぱり今まで通り、雲を小さくしてたまには喧嘩も必要なんじゃないか？」

雨の妖精と雲の妖精が「確かにそうかもしれないな、雨が降らなかったら困るからな」

嵐の妖精も「確かにそうだな」

雷の妖精がよしそういうことなら「また元の雲のサイズに戻して、毎日喧嘩じゃなくて、せめて２日に１回にして、それから、喧嘩の回数を減らしていこう」

そんなことを言いながら、

今日もまたのんびり村の大きな山に雨を降らしている。

上空では雷雲がゴロゴロと鳴っていた。