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もしかしてディズニーのキャストはコーチングができるのかも、と思った話

40歳にして、ディズニーシーの中をひとりで一つの乗り物にものらず、ぐるっと一周歩いて出る、というとても贅沢な経験をしたことがあります。写真は僕がとった曇天と地球。

ディズニーには詳しくもなんともありません。園内である店の前を通ると、曲が流れる。Shenandoahじゃないか。Bill Frisellの名演で知られる(?)、あのAmericanaだ…思わず立ち止まり、記念に録音しました。酔狂。

それはさておき、そんなことしながら思っていたことは、コーチングとキャストさん方は、共通点があるということでした。コーチは、クライアントに信頼されなければならない、オープンマインドでなければならない。よい第一印象を獲得しなければならない。そう思っていたときに、仮説がたちました。「それって、キャストの皆さんが毎日やってるのでは?」

コーチの仕事である、コーチング・セッションはいつ始まるのか。
コーチエィの代表 鈴木義幸氏は、著書『新 コーチングが人を活かす』の中で、あいさつの一言目から、会った瞬間から、というお話をしていたと思います。

これを読んだときにも、何となく頭をよぎったのは、東京ディズニーリゾートのキャストさん方でした。

あの挨拶の穏やかな抑揚、隙のない感じ、ホスピタリティの高さ。
来場者が、老若男女のどれだろうが、偉かろうが偉くなかろうが、どんな生活上の悩みやコンプレックスを抱えていようが、まるごと承認する。そして放たれる必殺の「いってらっしゃい」。

若いときは、ちょっと違和感を感じていました。正直、ちょっとすごすぎてひく。ディズニーのキャストのあの完成された感じ。

でも、あれはもしかして、一種のアクノレッジメントなのでは?これは考えるとけっこう面白いです。完全無欠の、perfectな第一印象。

キャストさん方のエンゲージメントの高さもすごい。あれは、どうやって生み出されるんだろうか。ややもすると、ディストピア的に揶揄されがちなほど高いあのエンゲージメント。組織の運営者だったら、一度は自分の組織に欲しいと思うものかもしれません。

完全無欠のあいさつと笑顔。ひとに信頼されるには、必要な資質なのかもしれません。いつか、キャストさんとお話ししてみたい。

一方、僕が若い頃からずっと好きなOasisのノエルはこう言います。

True perfection has to be imperfect.
I know that that sounds foolish, but its true.

Oasis の歌 Little by Little より、Lyrics  by  Noel 

欠点や不完全さは、結果的には完全だ、という感じの歌詞でしょうか。
完全無欠の第一印象は、たくさんの人にリーチしてグッドボタンもらえるけど、不完全さは、少数の人と強い絆を結ぶことができる、ような気もします。

待てよ、不完全なのかもしれない。東京ディズニーランドは、日米交流事業の一環としての歴史性を帯びていると聞きますが、しかしどうしてもそこにあるのはアメリカの古き良き白人の村。共和党的米国観。テーマパークとしては、ある種の狭隘さももちろんOKなんだけど、ひとつの限界性を最初から内包していたものなのかもしれない。小賢しいな、われながら。

Shenandoah、僕は大好きですけどね。


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