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田中稔哉 『対人支援に活かすネガティブ・ケイパビリティー』

僕にとっての本書:
対人支援職はこたえをすぐに出せない状況におかれる。どんなステイクホルダーがいて、どんなジレンマ、トリレンマに置かれるかを整理できる本。
ネガティブ・ケイパビリティーは、こたえがでない状況でとどまりつづける力。


2024年の本。
著者は田中稔哉氏。キャリアコンサルタントをしていらっしゃる。学生時代には4年間、応援団をされていた方。

実は、まちがえて注文してしまった本。はずかしながら。これを買おうと思ったんです


でも、読んでよかった。
というのも、僕は教員ですが、教員が対人支援職であるということをはじめて自覚しました。そうか、そういうカテゴライズがあるのか。というか、そのカテゴリに教員が入るのか。

本書では、対人支援職として、コンサルタントや医療関係、サービス業をあげながら、それらの職業のおかれるストレス状況がわかりやすくまとまっていました。

本の内容としては、
前半は、ネガティブ・ケイパビリティーの説明。
後半は、著者の近くにいた方10人のインタビューでした。
教師をふくむ、医療、介護、CAの方などのインタビューでした。

僕がネガティブ・ケイパビリティーについて関心を持ったきっかけは、たしか与那覇潤さんが言及していた記事があって、それがきっかけです。ああ、これだ

でもあらためて読んでみると、これはコーチングにも生きる知識でした(僕はいまコーチングを勉強中です)。

本書の印象的な部分
・ネガティブケイパビリティはロマン派詩人のシェイクスピア考に起源をもつ
・絶望をみながらも、わずかな希望をわすれずにとどまりつづけること
・対人支援職、軍事、医療など、さまざまなところに

本書で紹介されるアイテム、有名な考え方
・ホランドの6つの分類法
・プレディガーのワークタスクディメンション
・ジョブファミリー
・対人支援職のマッピング
・対人支援職のステークホルダー整理
・ジョハリの窓
・マイクロアグレッション
・環境介入

こうした、アイディアのパッケージ、という見方もできる本かなと思いました。


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