【詩】闇夜にほのかに浮かぶのは

闇夜にほのかにうかぶのは。
闇夜にほのかに浮かぶ指先。
その白さは夜桜によく似ている。
あるいは質感すらも。
はらりと散る花弁の柔らかで滑らかさに。
あるいは桜の花弁は、唇の感触。
うっとりと唇を寄せる。

君の声が聞きたいけれど、今はまだ。
今はまだ、目を閉じたままで。
ラジオをつければノイズが入る。
風が吹いてより乱れる。
明瞭に聴こえるまで、周波数を上げていく。
何か異国の言葉に包まれる。


真夜中の無人島。
優しい孤独に包まれて。
君は僕の司令塔。
有り体な言葉に隠して。

終わらせてなんて欲しくない。

水の中でもがくように
闇の中で戸惑う指先
どうせ正しい言葉でないのなら
伝えなくたっていい


君の声が聞きたいけれど、今はまだ。
きっと意味のない言葉を吐いてしまうから。


躊躇する指先。
惑う指先。
君の白。
花弁。
息。
風。
口唇。
周波数。
より乱れる心。


闇夜にほのかにうかぶ指先。





いつかの詩の供養です。こういうのって詩って呼んでいいのかよく分からないんですけど、詩ってことにしておきたいです。

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