一緒にやる展示会は勉強会ほどの価値がありました。
ミニチュア作家のいわなり ちさとです。
紹介した作品は販売します。気軽にお問い合わせください。
ひと月に2度の展示会をするという近年なかった怒涛の3月が終わります。
4日間も木次に通うなんてできるのか?と思いましたが、気持ちよく過ごしていたので、通うことに辛さを感じませんでした。
人は心が満たされていると本来の力が出るものですね。
桜染めの木の花工房さんのメインはさまざまなスカーフです。
桜染めというのはまだ花芽が見えないくらいの小さい時の小枝を煮込んで染料を作り出していきます。
花ではなく、小枝に潜む花のエネルギーを染料にいただくのです。
そのエネルギーはどんな色を生み出すのか染めてみないとわかりません。
自然の神秘。
桜の、その時の状態で色が変わるのです。
だから、マニュアル化できません。ある意味、出たとこ勝負。
それなのに、見事なピンクのバリエーションを展開されていることに驚きを隠せません。
全国でも桜の美しいピンクを出せる工房は木の花工房さんを含め、5か所あるかないかだそうです。
今の時代の、目先の利害を求める精神構造だと耐えられないほどの辛さをくくぐられたことを想像します。
そして、スタッフさんがそれぞれ得意な分野をお持ちです。
染めのプロあり、展示のプロあり、裁縫のプロありです。
その個々のスキルをお互いが認めて協力して活動してこられたので、素晴らしい成果をあげられたのだと思います。
染色とひと口で言っても材料が変わり、素材もいろいろになるとやり方は簡単に説明できません。
5日間の展示会中、4日ご一緒して染めに関する知識、スカーフをどう巻くかの技術など目で盗んで、だんだんと説明がうまくなっていきました。
桜染めは最初10中10失敗したと聞きました。
それでも、くじけずにチェレンジし、ゼロから一、二と進んできたという話は驚きでした。
木次の桜を愛し、仲間との信頼関係を持つみなさんが素晴らしい仕事をしてこられたのです。有名作家さんより素晴らしい業績です。そこに自分こそはといった驕りがなかったのがよかったのかもしれません。
引き継ぐ人がいなかったということは残念だけれど、もう少しがんばれば?という声かけがあるうちにやめることを決められたことは潔いことだと感服しました。
だれにでもできることではありません。
まだ、その時は来ていませんが、いつかもう無理だなと感じた時は私も間違わずに引退したいと思います。
代表の吾郷さんだけでなく、初めてご一緒したスタッフのみなさんがとても親切にしてくださって、4日の在廊期間は本当に楽しく過ごさせていただきました。
この、みなさんの人柄あってこその木の花工房さんだったのだと感じました。
私の売り上げのことも気にしていただきました。準備は滞りなくやり、会期中は無欲であったことがいい結果をもたらしてくれたと感じています。
自分の工房での4日間の展示会を終えてすぐの参加は無謀かとも思いましたが、私の直感でどうしても参加したいと思ったのが、正解でした。
たくさんの参加者さんとのイベントは案外と気を遣って疲れるものでしたが、今回はそんなことがなく、様々なお話を聞かせていただけてあっという間に終わりました。
これ以上のコラボはもうないだろうなと思うので、これからは少し前にも書きましたが、自分の工房を会場に小規模にやる展示会のみにします。
そして、ほかに気を遣わない分、作品作りに精進しようと思います。
この考えがイベントに参加してますます強くなりました。
世にさまざまな勉強会、自己啓発セミナーがあり、それぞれに素晴らしいですが、私の場合は実地にイベントに参加するという経験が一番の勉強になりました。
ミニチュアちさと工房
松江市山代町425-7
駐車スペースは2台分
☎ 070-5678-5427
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