【コロナ禍を乗り越えて ─ S君との4年間】
「約束だ。いつか見に行くからね。」
4年生のS君との約束を果たしに、彼の選手生活最後の試合を見にいった。S君は学部時代のクラスメイトの息子さんだ。地方在住の親の代わりに、年に2,3回食事をしながら大学生活の話を聞いていたが、競技者としての姿を見るのははじめてだ。コロナ禍で制限された大学生活の前半、怪我による手術とリハビリ、研究室に所属してからは離れたキャンパス間を行き来する生活。その時々に話を聞いていたが、4年間で多くの時間を過ごしたその器械体操場と彼の競技を見たことがなか