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昔の「ほうおう」を読む_99年12月
「ほうおう」は、歌舞伎会の会報。
実家を整理していたら、古い「ほうおう」が出てきたので、記録として概要を残しておきたい。
99年6月〜2002年3月分まである。
表紙
『奥州安達原』安倍貞任、市川猿之助(3代目。のち2代目猿翁)。裏表紙は『籠釣瓶花街酔醒』八ツ橋、坂東玉三郎。
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かぶきの衣裳
『新版歌祭文』野崎村、お光。
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絵で読む歌舞伎の歴史
「若女方の長唄舞踊」。
初代中村富十郎の役者絵と、『京鹿子娘道成寺』を初演した役者であることなど。初代中村富十郎が江戸に下ってきたのは宝暦2年(1752年)。このころから、「若い女性の衣服に華麗な振袖の様式が登場した」そうだ。
クイズで覚える名セリフ
『籠釣瓶花街酔醒』の縁切り場、次郎左衛門のセリフ。
「花魁そりゃあんまりそでなかろう…(略)」
*このクイズでは「そでなかろうぜ」ではない。
名優の人生語録
15代目市村羽左衛門。
そっくり真似ができるくらいならば、團十郎や菊五郎と同じ役者になっているわけですが、そうは問屋で卸はしません。だから、本当のところ、いくら丁寧に教えてもらっても、それを土台にするだけのことで、言って見りゃア、菊五郎三分、あと七分は自分の力でこなしていくんです。
ここに出てくる團十郎は9代目、菊五郎は5代目を指している。
OFF TIME
片岡愛之助。
舞台が休みの日は父・秀太郎の上方歌舞伎塾の手伝いをしていて、まとまった休みはないんですよ、という話。二十歳ごろは大食漢で、「一食に五合」食べたという話に驚く。
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演目、見どころ
12月の演目はこちら。
猿之助(3代目。のちの2代目猿翁)の『酔奴』、思い出すなあ。
江戸商売尽
ももんじ屋。
獣肉料理を食べさせる店のこと。「生類憐みの令」(1687年)もあったが、「牡丹」「紅葉」「山くじら」など言い換えて獣肉を出す店があったし、食べたい人は密かにうまいこと食べていた、という話。
個人的には「ももんじ」と聞くと、ゲゲゲの鬼太郎にも登場する「ももん爺」を思い出す。鼻毛を飛ばしてくるんだよなぁ、あの妖怪…。
今回も、歌舞伎ニュースなし。