身体は今日も頑張っている!_映画『はたらく細胞』 2024年公開【映画感想】
原作はマンガの「はたらく細胞」、「はたらく細胞BLACK」。
武内英樹監督作品。
『のだめカンタービレ』最終楽章、『テルマエ・ロマエ』、『翔んで埼玉』などを撮った監督だそうだ。
*ネタバレを含みます。ご留意ください*
映画では、アニメには出てこないニコ(芦田愛菜)とシゲル(阿部サダヲ)父娘が登場し、彼らの体内ではたらく細胞のお話、という形で進んでいく。
わたしは原作を読んでおらず、TVアニメを見ただけなので、雑な説明で恐縮なのだが…。
「はたらく細胞」第1期 →ニコ(娘)の体内
生活が乱れまくった体内「はたらく細胞BLACK」→シゲル(父)の体内
で、ニコとシゲルに色々起きると体内(細胞)もしっちゃかめっちゃか、という展開である。
豪華な配役
「はたらく細胞ワンダーランド」というキャッチコピーのとおり、カラフルで賑やかな配役。
肺炎球菌を片岡愛之助、黄色ブドウ球菌は小沢真珠。
この2人、インパクト勝負のキャラには欠かせない役者になりつつある。
登場シーンは短いのだが、TVアニメ以上にキラキラした衣装を、見事に着こなしている。
歌舞伎が好きなのでいちおう付け加えておくと、片岡愛之助は上方歌舞伎の重要な担い手である…。
キラーT細胞(山本耕史)は、腕の筋肉から見てもはまり役。
松本若菜のマクロファージも笑顔がアニメ的でそれらしい。そういえば佐藤健が仮面ライダー電王のときにこの人は天然ボケなお姉さん役だった。
NK細胞の仲里依紗、芝居はさすが上手いけども、わたしの頭が勝手にドラマ「ヤンキー君とメガネちゃん」のハリケーン・アダを思い出してしまう。
ヘルパーT細胞(染谷将太)は、制御不能で踊りだすあたりなど絶妙。
前の週に見た劇場版「ドクターX」との違いが凄まじい。
血小板を演じる子役さんたちが、可愛さ120点。
血小板のみなさん、わたしはテレビアニメよりも実写のほうが良いと思った。
なお、メインの血小板は5代目「キッチン戦隊クックルン」のマイカちゃん。
「はたらく細胞BLACK」の世界観の赤血球が板垣李光人。
通常とBLACKの世界がどう進んでいくんだろうと思ったら、父から娘への輸血によって、板垣李光人は永野芽郁や佐藤健のいる、ニコの体内へ合流する展開になっている。
Fukaseがガン細胞を演じている。
映画『キャラクター』は配信で見たので、スクリーンでこの人の芝居を見るのは初めて。
歌い手だけあって声と息の使い方がいい。冷めた言葉の中に、爆発的な憤怒が見え隠れする。
声、といえば永野芽郁。
器用に芝居する人ではないと思うが、声の可愛らしさが光る。
助けずにいられない、問いかけられたら答えずにいられない、そんな声をしている。
佐藤健は、アクション的には「るろうに剣心」がナイフ持った白血球U-1146になりましたという雰囲気。動きに斬新さはないものの、声をTVアニメに寄せていて、不気味な白塗りも思ったよりすんなり見られる。
骨髄移植によって新たに作られた白血球のときは、ナイフでなく日本刀を持っている。「るろうに剣心」の連想なのだろうか。
白血球U-1146は基本的に左目しか出てないのに、死に際だけ右目から涙がポロリと流れる演出が小憎らしく、こんにゃろうと思った。(涙流れてましたよね…見間違い!?)
阿部サダヲと芦田愛菜、と言えば思い出すのがテレビドラマ「マルモのおきて」。ドラマ見てないけど、大きくなったなぁ。
小学生の娘は、芦田愛菜といえば「博士ちゃん」のイメージが強いらしい。演技力の高さに驚いていたが、芦田愛菜は天才子役。
彼氏(加藤清史郎)もできて幸せ絶頂からの、ニコの闘病シーンは、涙涙である。
これを見ると、「身体を大切にしなければ…」と感じるので、スナックやジュース類を買い込んでシートに座ると、見ながら気まずい気持ちになるかもしれない。
お読みいただき、ありがとうございました。