【DVD】バクチク現象-2023-
*タイトル画像はDVDのDisc1ケース表紙と裏表紙
数日前、バクチク現象-2023- [Blu-ray完全生産限定盤] [2BD+PHOTOBOOK] が届いた。
WOWOWの放送では見始めてからずっと涙涙で、アンコール部分でのメンバーのコメントはこちらの心が持たず、まともに聞くことができなかった。
録画も残してあるのだが、それはそれとして、DVDも良かったので感想を残しておきたい。
📀仕様、構成
ディスクは2枚組。
ディスクとブックレットは外箱に収まっていて、この箱の内側が派手。
ディスクは、1枚目が15曲目『DIABOLO』まで。
2枚目はアンコールと特典映像。
ディスク2はヤガミトールのドラムソロがあってから、他のメンバーが出てきて16曲目『STEPPERS -PARADE-』になる。
この後が、メンバーによるMC。樋口豊、ヤガミトール、星野英彦、今井寿の順番で進む。
ここは今もやはり、テレビ画面に正面向いて聴くことができない。
だってもう、樋口豊が最初っから泣いてるもん…。
17曲目は『ユリイカ』。18曲目『LOVE ME』の「おっと…もう一回」的な発端(?)から、ボーカルの音声が合わない展開まで、そのまま入っている。
『LOVE ME』は、意地でも演奏を止めない今井寿、様子を見ながら合わせるメンバー。
ボーカルが入るまで、今井寿の「合わせてこイィいいい!」というスタッフさんへの信頼と、執念の声が聴こえてくるような演奏である。
予想外が起きたときこそ、演者の真の力が見えるというもの。ここはB-Tと、彼らを取り巻く人々の凄まじい力を見せつけられる。
なお、特典映像には、リハーサル時の『LOVE ME』が収められていて、予定されていた形を聴くことができる。こういうところも嬉しい。
📀音、声、色調
WOWOWの放送で見た時も凄いと思ったが、DVD(Blu-ray)でもあらためて感じる。
「まるでボーカルが(生きて)居るようだ」という表現は、きっと正しくない。作った側の意図とも、ずれる気がする。
しかし、ある一瞬ではそれこそ、「あっちゃんはステージの右か左の方に行ってて画面に映ってないだけ」に見える。またあるときは、これまでの櫻井敦司の姿を走馬灯のように見る。
これってアリだな、と思う。
櫻井敦司はいない。その上で、懐かしむだけではなく、悲しむだけでもなく、痛いよなぁ辛いよなぁと心を抱きしめ合いながら、ここまでの「バクチク現象」を確かめ、次のステップを目指す。
あくまで、目指す、であって、わたしのようにMCも聴けずその場にまだ残るでもいい(気がする)。そんな空気が伝わってくる。
歌声は、過去のライブから取られている。
CDにはない声の揺れ、シャウト、曲の前あるいは後の一言、などがある。
巨大な背景には、その曲の複数のライブ映像から組み合わせた櫻井敦司の姿が流れ、声とともに実際の演奏に合わせることで、一曲ができる。
櫻井敦司によるMCはないが、メンバー紹介はある。
音のバランスが素晴らしいので、背中を向けて聴いていると、他のライブDVDをかけっぱなしにしているのと変わらない。
だが画面に目をやれば、マイクスタンドのないステージ、代わりに高く上へと伸びるライトの柱。
曲がどんなに進んでも、ステージ中央に、櫻井敦司は戻ってこない。
見るのが辛くないと言ったら嘘だ。
それでも、「バクチク現象 2023」は、さすがBUCKーTICKという完成度。
もう聴けないと思っていた声が、とてもクリアに、そこにある。血の通った演奏と共にある。
「バクチク現象」のロゴからも感じる赤と黒。魔王の黒に応えるような、今井寿の髪をはじめ、濃い赤色がとても綺麗で印象に残る。
📀特典映像
生産限定盤の「特典映像」では、ライブのスクリーンで流れていた映像をフルバージョンで見ることができる。見られるのは以下の4曲。
『GUSTAVE』、『愛しのロック・スター』、『夢魔 -The Nightmare』、『LOVE ME』。
曲ごとに、愛嬌だったり、懐かしさだったり、教祖だったり、親愛だったり。
逆プロモーションビデオとでもいうのだろうか。
特定の曲を紹介するためのMVは見慣れているが、この場合は逆で、ある一曲を通して、これまでのB-Tのステージのハイセンスでバリエーション豊かな世界を振り返ることができる。
この楽しみ方は知らなかった。バンドに歴史と進化があってこそ。
過去の映像は、ここ10年くらいのものが中心のようだが、『愛しのロック・スター』はISSAYとの共演のほか、かなり懐かしい曲のMV映像も使われている。見ているとテンションが上がる。
それにしても、櫻井敦司の映像を出さない曲もあるので全曲ではないにしろ、これを20曲近く作ったのかと思うと、その尊い労力と才能にひれ伏すしかない。
まとまらない感想になってしまった。
わたしは熱心なファンでは全然ないが、これからのBUCKーTICKも楽しみにしている。