4/17、点鼻薬使い方
今日は、花粉症に用いられる場合点鼻薬について教わった。
点鼻薬には鼻噴霧用ステロイド薬と第2世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬があるが、処方薬としては前者が多い。内服の花粉症薬である抗ヒスタミン系は眠気が出る場合があるが、点鼻薬は直接鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻詰まり)を抑えるため副作用の心配が少なく、鼻症状に対して強く効くとされる。代表的な鼻噴霧用ステロイド薬には、フルナーゼ(フルチカゾンプロピオン酸エステル)、ナゾネックス(モメタゾンカルボン酸エステル水和物)、アラミスト(フルチカゾンカルボン酸エステル)、エリザス(デキサメサゾンシペシル酸エステル)がある。用法はフルナーゼは1日2回、各鼻腔(左右に)に1回1噴霧、ナゾネックスとアラミストは1日1回、各鼻腔(左右に)に1回2噴霧、エリザスは1日1回、各鼻腔(左右に)に1噴霧である。フルナーゼ、ナゾネックス、アラミストは液体だが、エリザスはパウダータイプのスプレーで刺激が少ない反面、小児の安全性の臨床試験が行われていないため小児には用いられないという特徴がある。デバイスや使用方法にも異なる点があり、ナゾネックスとアラミストを例に挙げると、ナゾネックスはノズル下部を下に押し込むタイプのデバイスで、毎使用前に必ず良く振り、初めて使用する際は10回程度空打ちが必要である。アラミストはデバイス横のレバーを握るようなタイプで、毎使用前に必ず良く振り、初めて使用する際は6回空打ちをする。ナゾネックス点鼻薬とアラミスト点鼻薬を比較した検討では、患者満足度はナゾネックス点鼻薬が有意にアラミスト点鼻薬より高かく、アラミスト点鼻薬においては特にトリガーの押しにくさやデバイスの持ちにくさなどのデバイスに起因する要因に患者は不満を感じているようであったとの報告[秋山 貢佐,星川 広史,鼻噴霧用ステロイド薬における使用感とアドヒアランスについて, 耳鼻免疫アレルギー(JJIAO) 34(3): 193―197, 2016]がある。
鼻に噴霧するだけといえば簡単に聞こえるが、処方された点鼻薬によって用法用量、そしてデバイスの使い方が異なるため、患者のコンプライアンスにあった薬剤選択、使用方法の明確且つわかりやすい説明(ソラで実演して見せてもいい)をしなくてはならないと学んだ。