4/16、利尿薬
今日は、利尿薬について教わった。
心不全患者: アゾセミド30mg/2T /分1/昼食後の処方。この患者さんはR5.6までアゾセミド30mgを1.5Tで飲んでいたが、R5.7.5に脱水と診断され1Tに減量、8.3には体重50〜51kg以下のときは飲まないという条件付きで0.5Tに減量された。その後12月に0.5T→1T→1.5T→2Tと増量していき2Tを続け、現在に至る。アゾセミドは心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫に適応のあるループ利尿薬であるが、急激に利尿作用が現れて脱水をきたすことがあるため注意が必要でもある。
利尿薬は、原尿が尿として排泄されるまでの、糸球体から近位尿細管→ヘンレループ→遠位尿細管→集合管と各部位で、異なる機序で水分再吸収を抑制することで尿量を増やす。その際、電解質の移動も伴うため、利尿薬を扱う場合には共通して脱水や電解質異常に気をつけなければならない。アゾセミド等のループ利尿薬は、上記工程のうちヘンレループにおけるNa,K,Clの再吸収を阻害する。近位尿細管とヘンレループでは水分の再吸収量が多いため、これらを阻害する浸透圧利尿薬やループ利尿薬は利尿作用が強いとされる。他にもサイアザイド系、K保持性、バソプレッシン受容体阻害剤など様々な利尿薬があるが、それぞれ調整される電解質が異なるため、患者の状態に合わせて、量や種類を使い分けする必要がある。この患者さんのように多いと脱水をきたし、減らすと心不全が悪化してしまうこともあるため、細い量調整がなされていた。どの薬にも言えることではあるが、特に利尿薬のように機序もシンプルかつ効果と副作用が表裏一体である薬は、医療者−患者−薬の関わり合いが大事だと感じた。