5/22、副作用
本日の実習では副作用が生じた時の対応について学習した。
認知症を患って長い患者さんに関わった。この患者さんはメマリー20mg、アリセプト10mgと抑肝散が処方されていた。この3つはすべてアルツハイマー型認知症に対して使用される薬であり、メマリーはグルタミンのサブタイプであるNMDAの受容体を阻害し、グルタミン酸神経系の機能異常を抑制する。アリセプトはアセチルコリンエステラーゼを阻害し、脳内アセチルコリン量を増加させることで神経伝達を改善する。抑肝散はアセチルコリンを増加させ、グルタミン酸を抑制するとされている。
この患者さんが先日突然興奮し、怒りっぽくなり、デイサービスに行っても帰ってきてしまうほどになってしまったため、医師に相談したという状況であった。
この状況はアリセプトの脳内アセチルコリン増加作による副作用の易怒性、攻撃性、興奮による症状であると考えられた。そのため、アリセプト10mgを半錠に変更し、それに加えて追加で多元受容体作用抗精神病薬であり、強力な鎮静作用のあるセロクエル25mgが処方された。
その結果、薬剤の効果を最大限に上げると同時に、副作用を最小限にすることができると考えられる。
一般的にこのように副作用が発現した場合は原因となる薬物を中止することが多いそうだが、薬剤の効果や患者さんの状況によって今回のように半錠にすると言った対応を行い、効果と副作用のバランスをとることが重要であると学んだ。