6/03、PPI
本日の実習ではプロトンポンプ阻害薬(PPI)に注目して学習した。
PPIは酸で活性化し、胃粘膜壁細胞の酵素H+,K+-ATPaseを阻害し、H2受容体拮抗薬よりも強力に胃酸分泌を抑制することで消化性潰瘍や逆流性食道炎などによる胃痛や胸やけなどの症状を改善する。また、特にボノプラザンであるタケキャプは薬効は同様だか酸による活性化を必要とせず、カリウムイオンに競合する形でH+,K+-ATPaseを可逆的に阻害し、酸分泌抑制作用を示す。
本薬局ではオメプラゾール、ランソプラゾール、タケキャプなどがよく調剤される。処方理由としては逆流性食道炎が最も多いが、要因として老化による括約筋の低下やストレスだけでなく、高血圧治療薬であるカルシウム遮断薬の副作用である食道下部括約筋の弛緩による逆流性食道炎もある。そのため、PPIはそれ単体の処方もあるが、多数の薬剤が同時に処方されている場合にはカルシウム遮断薬と同時に出てる場合が多い。また、本薬局では胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療薬として出されることは少なく、それは用量20mg以下と少ないことからもわかる。
本薬局で最もよく出されるのはタケキャプである。理由としては、既存のPPIに比べて酸に安定で水溶性に優れており、酸による活性化を必要としないため作用発現が速やかで、かつ遺伝子多型のある酵素で代謝されないことなどの特徴があり、胃潰瘍を始めとした全ての胃酸関連疾患において、ランソプラゾールに対する非劣性と安全性が各種臨床試験で確認されているためであると考えられる。