6/21、リベルサス
本日の実習では引き続き糖尿病治療薬の一つであるリベルサスに注目して行った。
リベルサスは一般名セマグルチドであり、薬効分類としてはGLP-1受容体作動薬である。作用機序は膵β細胞上のGLP-1受容体に選択的に結合し、ATPからcAMPの産生を促進させることにより、グルコース濃度依存的にインスリンを分泌させ、血糖値が高い場合にはグルカゴン分泌を抑制する。この薬剤は食欲不振となり、体重減少の効果があるため、患者さんから副作用なのではないかなどの訴えが多いため、注意が必要となる。また、この薬剤は初期量3mgとして4週間後に問題がなければ7mgへ増量、その4週後にまた問題なければ14mgへ増量するという特徴的な用法・用量をもつ。服用方法も注意が必要であり、1日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状態で服用すること、コップ約半分の水(約120mL以下)とともに1錠を服用すること、服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食及び他の薬剤の経口摂取を避けることがあるため、服薬指導を行う必要がある。
本日取り扱った症例は慢性的な糖尿病の患者さんである。R35/11の時点でSGLT2阻害薬のスーグラとDPP-4阻害薬とビグアナイド系の配合錠であるエクメットHDが処方されていた。その後糖尿病が悪化し、6/25にGLP-1受容体作動薬の注射薬であるオゼンピックが開始となった。その時に同じくGLP-1の作用を増強させるDPP-4阻害薬を含むエクメットが中止された。それからオゼンピックによる投与時の痛み、食欲不振、悪心や嘔吐によりコンプライアンスが低下したところ、9/15にオゼンピックがリベルサス3mgへ変更になった。その28日後に7mgへ増量され、その後しばらく同じ量で様子を見た。R41/31に14mgへ増量され、ツイミーグが追加された後に現在まで安定している。リベルサスへと変更後は悪心、嘔吐は改善された。
また、この患者も薬歴からしっかり服用してるかは不安な点があり、コンプライアンスは良いとは言えない患者であった。