5/27、心不全、βブロッカー
本日の実習では慢性心不全に対する薬剤であるβ受容体遮断薬について学習した。その中でも特定の1人の患者さんに注目した。この患者さんは平成30年にニパジールとカルベジロールが処方されていた高血圧を持つ患者さんであったが、令和1年に心房細動と診断され、FXa阻害薬であるリクシアナが処方されていた。その後、不整脈で血圧が安定しない患者として静岡市立病院と服部クリニックに受診していた。令和5年からは降圧薬としてレザルタス、塩化カリウム、抗不整脈薬としてリクシアナ、カルシウム拮抗薬のペプリコール、そしてβ遮断薬であるビソプロロールが処方された。β遮断薬は心臓や血管の収縮に関わる交感神経のβ受容体を遮断することにより、心臓や血管を弛緩させて心臓の興奮を抑制させたり、降圧作用を示す。特にビソプロロールのような選択的β1受容体遮断薬はβ1受容体が主に心臓に分布していることから、血管や気管に影響を与えず、比較的副作用を抑えて抗不整脈作用を示す。そして、本日塩化カリウムが中止され、降圧薬として選択的アルドステロン拮抗薬であるミネブロが追加で処方された。ミネブロは塩化カリウムと併用すると高カリウム血症となる恐れがあるため併用禁忌となっているため、中止されたと考えられる。また、降圧薬として以前と異なる機序の薬剤が選択されたのは、安全性のためにそれぞれの薬剤の最大投与量を超えないようにするために、薬剤の量を増加するのではなく異なる種類の薬剤を追加することにしたと考えられる。