5/28、ミネラルコルチコイド、適応症
本日の実習では昨日も扱ったミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MR拮抗薬)について注目して学習した。MR拮抗薬は腎の尿細管に作用してナトリウムと水の再吸収やカリウムや水素イオンの排出を促進させることで高血圧の原因となるアルドステロンが作用するミネラルコルチコイド受容体を阻害することで、水の再吸収が阻害し、尿から体外へと排出される。その結果、体液量が減少して降圧作用を示すと考えられている。
本薬局ではセララ(エプレレノン)、ミネブロ(エサキセレノン)、ケレンディア(フィネレノン)が出される。これらは同じ機序を持つがそれぞれ特徴がある。セララは性ホルモン受容体関連の副作用は軽減されているが、糖尿病合併高血圧やCKD合併高血圧などの腎障害のあると考えられる患者さんには使用できない。ミネブロは非ステロイドのため性ホルモン受容体関連の副作用はなく、本態性高血圧のほか糖尿病合併高血圧、CKD合併高血圧への有効性、安全性も確認されている。それに対してケレンディアは非ステロイド型構造で、高血圧の適応がないが、2型糖尿病合併CKDの適応をもつ唯一のMR拮抗薬である。
本日注目した1人目の患者さんの処方では、レザルタス、オルメテック、カルブロックが処方されている状態でセララが処方された。これは他の機序の降圧薬を用いても効果が不十分であったため、他の薬剤の最大量以下になるように他の機序の薬剤としてセララ追加されたと考えられる。また、高齢者のため腎保護のためということも考えられる。また、2人目の患者さんでは、以前から高脂血症のためエゼチニブ、アトルパスタチンが、心疾患のためバイアスピリンとビソプロロールが、高血圧のためアムロジピンが、高血糖のためメトホルミンが処方されており、同時にケレンディアも処方されていた。これは糖尿病や以上の慢性疾患のため生じた腎臓病の改善のためだと考えられる。ケレンディアの適応についてはケレンディアの降圧作用が副作用の発現と比べて小さいからである。また、これらのMR拮抗薬は副作用に高カリウム血症があるため、併用禁忌や相互作用に注意が必要となる。