バイトという仕事
僕は、バイトを簡単に考えていた。
お父さんの仕事とは違うもっと責任のないもの。
多分、間違ってない。
だけど、僕はもっと安易に考えていたのかもしれない。
昨日言われたことが頭から飛んでいた。
それが当たり前になっていた。
「覚えられないならメモをとったほうがいいよ」
「はい」
決して怒鳴られたわけじゃなかったけど何故か恥ずかしかった。
親に
「昨日も言ったでしょっ!!」
「覚えてないし」
こんな状態のまま僕はバイトに挑んでお金を貰おうと考えていた。
許してくれるって思ってたのかもしれない。
バイトだからって。
「これが持てないなんて家でお手伝いもしてないねぇ~」
「すみません・・」
当たりだった。
しかし、和菓子が集まるとこんなに重いのかぁ~
材料も重い。
けれど、僕と背がかわらないおばちゃんも涼しい顔で運んでる。
高いとこも脚立にひょいって乗ってお手の物。
僕はバイトに行くたびに落ち込んでいった。
自分の今までの甘えにだ。
「お疲れさん!次はいつ?」
「あ、えぇ~と・・・」
「明後日ね!!」
「すみません」
何もかも慌ててしまい頭から抜け落ちる。
「ちゃんと来なよ」
「はい・・」
いつも親と一緒で帰りは心配そうに顔を覗き込まれる。
成長したつもりが全くだ・・
乱暴な言葉遣いなお父さんでも少し尊敬した。
毎日仕事してるし、それを手伝っているお母さんにも完敗だ。
あ、今日のことメモしておかないと!!
つづく