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「忙しい」を体験したかった僕

僕は、ずっと前から思っていやことをやろうと思っていた。

それはバイトだ!


兄たちがバイトを始めて好きな物を買ったりしてたからもあったけど

「忙しい」

っていう言葉に憧れを実は持っていた。


文句いいながらも何故か自慢気にアピールしてくる、その言葉。

僕も体験して使ってみたかった。


体力もだいぶついてきたし実態のない自信があった。


だけど・・・どうやって見つけるかだな


本当は友達と行きたかったけど、ここは男だ。

自分で探して決めないと。


毎日、通る場所にうってつけの和菓子屋さんがあった。


行ったり来たり、止まって中をのぞき込んだりして、なかなか勇気がでない。

どうしょう・・・


家も近いし、優しそうなおばさんがいる。

何も迷うことなんてない。


「あのぉ~」

「あ、いらっしゃいませ」

「バ、バイトしたいんですが・・」

「あら、中学生?」

「あ、いえ高校1年です」

「まぁ、可愛いねぇ~」


僕は、採用された。

やっぱり運が向いてきた!!


「あぁ~今週から忙しいなぁ~」

「何かあるの?」

お母さんが怪訝な顔をして聞いてきた。


「あ、うん、バイトが決まったから」

「へぇ~」

「遅くなると思うから、ご飯は別に食べるからね」

「ふぅ~ん」

何をそんなに怪しんでるのか?


次の日、学校でも僕は

「今週から忙しいから、なかなか遊べないなぁ~」

「何で?」

「バイトで」


僕のセリフは完璧に決まった!!

つづく

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