それぞれの将来
2番目の兄がレーサーになりたいと言い出した。
突然だった。
バイクが好きでいつも乗り回してたことは知っていたけど、そこまで考えてるとは知らなかった。
学校も行ってなかったらしい・・・
母は呆れていた。
小さい頃は、いつも二人の兄に寄ってたかってプロレス技をかけられて泣かされていて、いつか仕返しをしてやるって心に誓っていたけど・・
いつの間にか接触もあまりなくなっていた。
そういえば、将来の事なんて語り合ったことなかったっけ?
1番上の兄は何を思ってるんだろう。
それも知らない・・・
何となく大学生としか。
きっと普通の大人を目指して歩いているのかもしれない。
2番目の兄は好きな道に行こうとしている。
僕は・・・
僕も普通なのか?
レーサーなんて夢物語みたいでなれっこない!!
だけど・・少し羨ましかった。
父は自営をしていた。
僕は、もしかしたらあわよくば・・なんて心のどっかで思っていたのかもしれない。
つづく