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ゲームを覚えた日
僕は、二年生になっても一番前に並んでいた。
クラスのみんなは、いつだって僕より大きい。
時々、みんなに頭をワチャワチャにされる。
だけど
「なんで、そんなことするんよ!!」
いつもクラスの女の子が庇ってくれた。
嬉しいけど、やっぱり嬉しくない・・
家に帰ったから近くの駄菓子屋さんに行くのが楽しみだった。
お菓子もいいけど、そこにはゲームがあったからだ。
最初は、お兄ちゃんがやっているのを見てたけど
「僕もやりたい」
「お前は無理」
友達と夢中で何か大喜びしてた。
「やったぁーーやった、やった!」
駄菓子屋さんのおばあちゃんからアイスクリームをもらっていた。
「僕もやりたい」
僕の声は喜びの声にかき消されていた。
ふと、お兄ちゃんが
「おさるもやるか?」
「え?いいの?」
「一回だけな」
「うん!」
よっぽど、アイスクリームが嬉しかったのだろう。
「ここの穴に玉を入れたら当たり」
「わかった」
レバーを勢いよく指で弾いた。
「あぁ~やっぱりトロいよなぁ~」
頭を叩かれた。
面白い
面白い
もう一度・・
明日、おばあちゃんにおこずかい貰ってやろう。
僕は、きっとゲームに夢中になっていく。
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