僕は将来について考え始めた
兄たち二人は大学に進学していた。
当然、僕もそのつもりでいた。
別に何か将来に役立つためとかなんて思っていない。
ただ、何となく行くのがベストだと考えていた。
ただ、何となく・・・
きっと、まだ社会人にとは思っていなかっただけなのかもしれない。
バイトも慣れてきた。
自分の自由なお金が手に入った。
家に入れるなんて考えたこともない。
ただ、自由に使っていた。
学校に行って、バイトに行って遊んで・・・
あんなに体が弱かった僕が今は自由にみんなと同じようにできていることが不思議だった。
いつか僕も社会人になって結婚して子供ができて
心配して生きていくのかなぁ~
何となく今がいい
そんなことを思っていた。
きっと、まだ自分に自信がないだけだ。
でも、時間は過ぎて行くな・・・
「タローお前はいつも何考えてんだ?」
人間だったらお前は、いつも笑っているんだろうな・・
誰にでも人懐っこくて優しい。
お前を嫌いな奴なんかいない。
あれ、僕は、どうなんだろう?
僕は、この先も笑って暮らしていけるのだろうか。
「おさるぅーーご飯」
「はぁ~い」
いつもの日常がまた始まる。
つづく