僕は色々知識を覚えた
高校生になった僕は友達が増えたし広がった。
当然、バイトもしているので社会人の辛さも何となく目に耳に入ってくる。
今まで喘息で小さな殻に引きこもっていた自分。
弱いからできないと親の囲いの中で守られていた壁が高いと思っていたけど、いつの間にか挑戦というものに背中を押されて破っていける僕を発見して驚きや辛さも味わったけど・・・
なんか、それ以上に冒険したくなってきた。
小学校2年までは、まともに学校に行くことができなかった僕は勉強が苦手だと思っていた。
だけど、やればできるんだということを経験で知っていったのは大きかった。
出会いと別れを繰り返しながら僕も成長して、きっとプールに入ることも考えていなかったけど、僕は挑戦として捉えることができ泳げるようになった。
できないじゃなくて、できるかも?
これが僕を搔き立てた。
それは、良い事ばかりじゃなくて遊びもその一つだった。
バイトをして遅くなると急いで家に帰る。
そのルーティンは、人との繋がりで崩れていくこともある。
「このまま遊びに行こう」
う~ん、タローの散歩があるしなぁ~
でも・・・
「うん、どこ行く?」
そのまま夜遊びしてしまう。
「今日、遅かったね」
「うん、ちょっと残業で・・」
平気で親に嘘をついたりしてしまう。
最初は、ビクビクしてたのに慣れてくると平気になる。
「明日もバイト?」
「うん」
休みだけど、バイトと言えば夜遊びができる。
何となく罪悪感はあったけど・・・
タローはお母さんに任せてしまうことが多くなってきた。
しかし、現実は厳しい。
「おさる、あんたバイトって言ってたけど、買いにいったら今日は休みって言われたけど!!」
最悪だ・・・
そうだ、バイト先が家から近い和菓子屋だ。
僕は、うっかりしていた。
「そんな嘘ついて遊びあるくならバイトはもう辞めな!!」
ここは逆切れをするべきか?
僕は迷っていた。
僕は不貞腐れて部屋に戻ろうとした時に、ふと窓からタローが見えた。
「バーカ」
タローがそう言ったように聞こえた。
つづく
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