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僕は先のことなど見ていなかった
たまに僕は生きて来た道をたまに振り返ることがあった。
幼い頃は守られてきた人生だったけど
その為か自分を出すことが怖かった。
そんな中でもたくさんの経験を積み生きてきた。
親の囲いかた少しずつ離れ他人と交わることによって、比べて卑屈になったりしたけど自分ができることを発見することもできた。
みんなと一緒が嬉しかった。
だけど、また新たな差に直面して落ち込む。
同じと思ったらまた先に行かれてしまって本当に追いつくのか。
外に出れば楽しいことがある。
だけど、傷つけば家に帰ると家族やタローが出迎えてくれる。
僕には逃げ場があり、守られる場所がそこにあった。
ずっと続いて欲しい。
でも心のどこかで
「そんなわけがない」
葛藤して負けそうな心を見ないように逃げていた。
きっと先のことなんて考えたなかったんだろうな・・・
大きくなったら
いつか大きくなったら
そんな夢みたいなことを思い描きながら泣いていた頃よりも今がずっと苦しかった。
もう、ずっと前に大きくなっていたんだから。
ただ、何となく今を友達と笑って
いつかまた来るに違いない時までこのまま過ごして生きていた。
「おさるは大学に行くの?」
「え?・・うん」
「そっかぁ~俺は就職かなぁ~」
「何で?」
「親がそんな金はないから働けってさぁ~」
「・・・・・」
「ま、俺も働きたいしね」
「・・・・・」
「お、今度映画行きたくねぇ?」
「うん、行きたい」
「決まりね」
「うん・・」
僕は目の前のことだけを見ようと謳歌しようと必死だった。
つづく