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目覚めてしまった僕

僕は鉄棒から落ちてしまって眉間に勲章ができてしまった。

それは、「勇気」という名の勲章だ。


いつも僕は「お前は無理」と言われ続けたから自分で何かをする前に「どうせ無理」と決めつけていたからだ。

もしかしたら、僕は逆上がりがずっと前からできていたかもしれない。


学校でも体育は休みがちで運動というものにを体験してこなかった。


小さいころから喘息がひどく、今でも何かの引き金で発作が起きる。


カナちゃんは、クルクルと簡単そうに鉄棒で回っていたけど、最初からできたわけじゃないはずだ!!


一回は絶対落ちたかもしれない・・

二回ぐらいあるかなぁ・・


もう一回やってみよう。


お母さんは「もう少し背が伸びてからにしなさい」と言っていたけど、まだ先のような気がする。

きっと、中学生になったら急激に伸びるに違いない!!


待てない。


「コロ、行くぞ!!」

僕はコロと公園に向かった。


カナちゃんだ・・・

「あ、おさる大丈夫だった?」

「うん、全然」

「そう」と言って友達とブランコのほうへと走って行った。


鉄棒の練習したいけど、見られるのはイヤだ。

カナちゃんのほうを見て「どっか行け」って思った。


コロと遊んでるふりをしながら鉄棒で何回転もしている僕を想像していた。

「何、笑ってるん?」

カナちゃんがいつの間にかいた。

「別に」

「鉄棒したいから、のいて!」

そう言って、また鉄棒でクルクルと回り始めた。

僕は、じっと見つめていた。

何故か、いつもスカートを鉄棒に巻き付けているのが気になった。

「なんでスカート巻き付けてるん?」

「あ、回転しやすいから」


へぇ~そうなんだ。

しかし、僕はズボンだ・・・

お母さんのスカートを持ってくるか・・


「ハンカチでもいいと思う」

「あ、僕もそう思ってた」

慌てて答えたけど、なるほどと感心した。

しかし、ハンカチは持ってきてなかった。


「コロ、明日はきっとできるかもしれない」

帰り道、僕は僕に言い聞かせるように語りかけた。


明日を想像してワクワクしていた


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