しわよせ家族計画(『BanG Dream! Ave Mujica』第二話考察?)
今回は、アニメ『BanG_Dream! Ave Mujica』第二話の考察(?)を述べていきます。
睦ちゃんの両親について、誤解していたことがありました。
私は、睦ちゃんの両親を「父親は名誉欲の塊、母親は自分の願いを子どもに押し付けるタイプ」だと勝手に決めつけていました。
(過去に書いた記事に、その決めつけが滲み出ています。読んでいただければ幸いです。)
しかし実際は「クセはあるけど、子どものことをちゃんと想っている、比較的まともな両親」なのではないでしょうか。
1.個性の尊重︰★★★★☆
過密スケジュールをなんとかこなして、睦ちゃんが自室のベッドに倒れ込むシーン。
ぬいぐるみがいくつか見えるカットがあります。
以下、置いてあったぬいぐるみを列挙します。
左手前︰目がボタンになっているウサギと、アリクイ(?)のぬいぐるみ。
ベッドの上︰眼帯を付けたテディベア、リボンを3つ付けたペンギン、そしてサメのぬいぐるみ。
ベッド横︰ネコ(?)のぬいぐるみ。
統一感がなく、また一つ一つが独特なデザインのぬいぐるみたち。
「親が子どものために選んだ」というよりも「子どもが自分の感性で選んだもの」に見えます。
加えて、ぬいぐるみの数が多くもなく少なくもないことから、無闇やたらに買うのではなく、睦ちゃんが「ほしい」と思ったものだけを買い与えていると解釈できます。
これは睦ちゃんのギターについても同じことが言えます。
「幼少の頃よりギターを嗜んでいる」(by祥子ちゃん)とのことでしたが、音楽系の子どもの習い事としては珍しいですから(定番はピアノやダンスです)、こちらも「睦ちゃんが自分で選んだものを両親が与えた」と考えられます。
これらの睦ちゃんの持ち物から、「自分で選ばせることで感性を磨かせて、個性を伸ばせるようになってほしい」という親心が感じられるのです。
「まともな両親」と言える根拠はもう一つあります。
2.対等な関係︰★★★☆☆
母親のみなみさんは、睦ちゃんから「みなみちゃん」と呼ばれています。
みなみさんは、夫の若葉さんを「たーくん」と呼んでいます(おそらく睦ちゃんも、若葉さんを「たーくん」、もしくは名前呼びしているのでしょう)。
この名前呼びやあだ名呼びには、「家族であっても対等な関係でいたい」という両親の想いが込もっていると考えました。
役者と芸人、それぞれの業界で個性を発揮してトップまで上りつめた両親にとって、「親子の上下関係によって、娘が言いたいことを言えず、個性を自ら潰してしまう」ことは何よりも避けたいことです。
だからこそ、家族の距離感を近くして包み隠さず話し合える対等な関係を築くために、名前呼びやあだ名呼びを使っているのではないでしょうか。
1.の内容と合わせると、睦ちゃんの両親は「娘と対等な関係を築き、その自主性と個性を大事にしようとしている」と言えます。
しかし、この2人には致命的な見落としがありました。
3.娘に生じる無力感︰★★★★★
睦ちゃんの両親の致命的な見落とし。
それは「自分たちのネームバリュー」と「それによる娘の心情」です。
睦ちゃんにとって両親は「自らの実力で欲しいものを手に入れてきた人達」です。
そんな両親と自分を比べた時、睦ちゃんは「自分には何もない」という無力感に苛まれたのではないでしょうか。
世間からは「大女優と大御所芸人の娘」として持て囃される度に「本当の自分には、これほど期待されるだけの実力はない」「両親の存在が無くなったら、自分には何も残らない」とさらに自分を追い詰めていったのだとしたら、
第2話の「長くは続かない」という言葉も「私が足を引っ張ってしまうから長続きしない」という意味にとれます。
それを踏まえると、睦ちゃんの両親は、そのネームバリューのせいで「娘の自主性を尊重して個性を伸ばすつもりが、逆に発揮できなくさせている」のではないでしょうか。
おわりに
今回はアニメ『BanG_Dream! Ave Mujica』第二話の考察(?)を述べていきました。
「考察」と言っておきながら、そのほとんどを憶測で話してしまいました。
それでも、ここまで読んでくださった方。
本当にありがとうございます。
まだ2話ですが、見どころがあり過ぎるので何度も見返して行きたいと思います。
拙い文章をここまで読んでくださり、ありがとうございました!