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油脂の調理性(スポンジの油脂)

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菓子製造技能士試験の申し込み
無事に完了しました(*`・ω・)ゞ

まずはビスキュイ焼く練習!!
今度のお休みの日にします(๑•̀ㅂ•́)و


3)スポンジの油脂

  スポンジ類の作り方には、バタースポンジ法、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインワン法などがある。

  それぞれの方法について、油脂は他の材料と混合されて、どのような反応を起こしているのかを考えてみよう。


‪☆バタースポンジ法(ゼノアーズ)

  卵と砂糖を泡立てて粉を混合した後、油脂を溶かして加える方法である。
  それでこれを「後油脂法」、バタースポンジ法またはゼノアーズともいう。
  ゼノアーズは地名である。

①油脂の混合

  卵と砂糖を泡立て小麦粉を混ぜた中に、溶かした油脂(粉の20~100%)を混合する。
  油脂は食品の消泡剤なので、どうしたらスポンジ生地の泡を消さないようにできるかが問題になる。

油脂による泡の粗悪化

  上図は油を加えることによって泡立たなくなる実験である。
  図中の(1)は冷凍卵と砂糖を泡立てたもので油は入っていない。
  (2)は冷凍卵と砂糖と油1%を入れて泡立てたものであるが、油が入っているため(1)の1/2くらいしか泡立たない。
  (3)は(2)よりも油を多く加えて泡立てたものでほとんど泡立たない。
  これでわかるように、油を初めから入れては泡立たないので、小麦粉を混ぜてから最後に油を加えるのがよいことがわかる。

  次に、油脂の温度と混合時間が、泡にどのような影響を与えるかを知るための実験である。

混合時間と混合時の
油脂温度による空気の損失

  すなわち上図は、油脂を混合したときの空気の損失量である。
  最も損失量の多いのは、油脂温度が低く、混合時間の長かったもの(油脂量20%)であり、最も損失量の少ないのは、油脂温度を93℃と高くし、短時間で混合したもの(油脂量50%)であった。

  油脂の温度差による起泡量の相違は製品の相違につながる。

添加油脂の温度とスポンジ

  上図のように、53℃と93℃の溶けた油脂をそれぞれ添加してできた製品とではボリュームが違うという。

添加バターの温度とスポンジ

  上の写真の、上は30℃、下は沸騰したバターを入れて試作したが、ボリュームもやや大きく、高温バターのほうがきめが細かくできた。
  また、焼く前に、生地の比重を計ったら、油を入れないものは0.56、30℃のバターを入れたものは0.71で、油が泡を消していることがわかった。

②油の広がりと沈み

  実際に沸騰したバターを加えると、バターは生地泡の表面に広がる。
  これを混合しても泡の損失は少ない。
  しかし、低温のバターを加えると、バターは生地中に吸い込まれてしまう。
  これを撹拌すれば、次第に生地はしぼみ、泡は消え、容積は小さくなることがわかる。

  水面に1滴の油が落ち、これが平衡を保った状態というのは、力学的にいうと次のようである(下図)。

水と油の界面作用

  水の表面張力をγꜰ 、油の表面張力をγᴅ、水と油の界面張力をγꜰᴅとすると式は、

     γꜰ=γᴅ+γꜰᴅ

で表され、油の表面張力を低くすると、
γꜰ>γᴅ+γꜰᴅ   となり、油は水の表面に広がる。
  表面張力は高温になるにしたがって低くなり、広がろうとする。

  それで、この方法で作るとき、泡立てられた生地に、沸騰したバターを混合すれば、生地表面に広がることが理解できるであろう。

  なお、低温の場合を参考までに示しておくと、   γꜰ<γᴅ+γꜰᴅ   すなわち、油の表面張力が高くなると、油は表面張力の作用で球になり、表面を小さくしようとする。
  それで生地泡の表面に付着した油の表面張力が、泡の表面張力より大きければ、泡膜を破り、泡を崩して中に侵入していくわけである。

  以上は、バターの温度による表面張力のみを考えた場合の理論である。
  菓子を作るときには、生地泡の表面張力も高く、すなわち泡膜を丈夫にしておくことも忘れてはならない。
  泡の表面張力を高くするには、泡の温度が低い方がよいと考えられる。
  また、泡を消さないために乳化剤などの添加も考えられる。

参考文献
竹林   やゑ子『洋菓子材料の調理科学』

参考に学ばせていただいております。
感謝いたします。

さようなら(ヾ(´・ω・`)Au revoir!
                                 (オ  ルヴォワール)

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