【感想】のび太の宇宙小戦争2021(ネタバレなし/あり)
遂に映画公開! 早速見てきましたっ!
のび太の宇宙小戦争♪
〜ネタバレ無し感想〜
※旧作と今作の予告の内容には触れます。
ドラえもんの映画は毎年見に行っていて、安定感がありいつも通りのドラえもんを期待していきました。そして満足して帰ってくることができました。
今年はスネ夫が好きな人がさらに好きになるような作品だな、という印象です。昨年の新恐竜の時に、印象に残ったこのシーン。
今年も指を鳴らしたり、指したり。小学生らしく両手をバンザイして嬉しそうに話したり。スネ夫の動作が従来の映画以上に丁寧だなと感じました。
ストーリーとしても旧作以上にスネ夫をはじめそれぞれの人物の心情に寄り添った展開の仕方がされていて良かったです。
次に、リメイクの変更度合いですが、このように感じました。
日本誕生 < 宇宙小戦争 < 鉄人兵団
鉄人兵団はピッポという新キャラを出すことで、
のび太とピッポ・ピッポとリルル・リルルとしずか
3組の関係性を鮮明に映し出していました。そしてリルルのクライマックスの決断方法も別のものとなりました。
今作は大筋は同じながらも、それぞれのキャラクターが優しくなったように感じます。
予告の時点で旧作との違いを予感させたのがこちらのシーン。
旧作では、パピを助けに行く中でスネ夫が異を唱えますが、今作ではパピもいます。
もう一つは、松岡茉優さん演じる新キャラ、ピイナの存在。
私はキャラクターの心理描写が丁寧に描かれる作品が好みなので、すごく楽しく見終えることができました。
反対に、ツッコミをするとすれば。
まず、ビッグライトとガリバートンネルの存在を忘れてから見ないといけないというところ。そして、スモールライトも効果の持続時間があること。
どの作品でも言えますが「あの道具使えば解決じゃん!」の中でも今作はあまりに有名な道具なためツッコミたくはなります。
また、たとえば「無断で外泊してしまった」と言うような過去に戻れば解決できる事件が起きた時は、タイムマシンを使えば良いのに、と思ってしまいます。
ストーリーの整合性よりも、キャラクターの心理描写の一貫性に重きを置いていると感じましたので、素敵な作品だと感じました。
〜ネタバレもあり感想〜
ここからネタバレも含めて続けたいと思います。
その前に。公開を待つ間、トリックアートも描いてみましたっ
大まかなストーリー
小さな宇宙人の大統領「パピ」の星は独裁者に支配されそうになっていた。そしてパピは独裁者の軍団に追いかけられている。
【地球編】
のび太達はパピ達を救おう、と決め地球に攻めてきた軍団からパピを匿う。しかし居場所がバレ、運悪くしずかちゃんが人質に取られる。
パピはしずかちゃんの解放と引き換えに捕まるが、のび太達が助ける。
【ピリカ星編】
ピリカ星人を救うため、ピリカ星へ行く。弱腰なスネ夫の葛藤もありつつもスネ夫のアイディア力や改造技術を活かして立ち向かうと決める。最終的に捕まるが、スモールライトの効果が切れて巨人化してやっつける。
声優さんについて
感想を言おうとすると、一番最初に言いたかったのが、
進撃の巨人だったッ!!笑笑
のび太達が巨人化する話なのはそうだけれど、ロコロコの声優がエレンの梶裕貴さん、パピはハンジさん役の朴璐美さん。
ハンジさんに「巨人」と連呼されると…🤣
(しずかちゃん達が巨人化する際のエフェクトがコナンの幼児化みたいで幼児化しちゃうのか!? とも一人ニヤニヤしました)
のび太が巨人化したところは完全に、超大型巨人襲来でした笑
また、映画の初っ端から登場するピイナ。
聲の形で声優初挑戦だった松岡茉優さんですが、きっと相当練習を積まれたのだろうな、と感じることができました。
香川照之さんは、香川照之さんの顔がチラチラ出てきちゃうほど香川照之さんでした^ ^
アニメーションについて
リメイクの醍醐味、絵柄が綺麗になっていて非常に見やすかったです。動きも大きくて、スネ夫はミュージカル俳優かと思いました。しずかちゃんの台詞回しも舞台っぽいなと感じたのは自分だけでしょうか。
良かったのは、カメラワークや、のび太やパピの表情がすごく豊かなところ。
まるで表情で視聴者に伝えるホラー映画のように、
のび太やパピの表情で、緊迫感や真剣度を見せつけられた感覚です。アニメーションの動きや表情の表現、ポージングなど大変勉強になる作品だなと感じました。
そして色の塗り方も、あまり今までない形態だなと感じました。
今作は、のび太達の頭だけ「普通の色+光」の2色で塗られます。
顔や服など、それ以外 は「普通の色+影」の2色で塗られています。
ちなみに、今までは「普通の色+影」が比較的多かったです。
前作の新恐竜から、光との2色が使われることが増えたように感じます。
個人的に、光を描く色の塗り方が好きなので嬉しいです^ ^
リメイクについて
①新キャラ ピイナの存在。
一番の変更点。
パピがのび太達に助けられる側から、ピイナを助ける側に回ったことでパピとのび太達の関係性が深まりました。そして大統領であるパピが唯一、弱みを曝け出し声を上げて泣ける相手がいたおとでパピの本当の部分を映し出すことができました。
②余白をトリミング&スネ夫にスポット
旧作からカットされたシーンは何箇所もあります。
○ジャイアン・スネ夫に対抗してのび太としずかがぬいぐるみで撮影するシーン。
○ジャイアン達は最初から出来杉も交えて撮影している。
○その他、のび太がパピに会わせるためにしずかを案内するシーンや通学風景など細かい動作を省略。
その分小さくなる時間が増え、敵をより脅威に感じることができました。一番弱腰なスネ夫の目線に共感できるようになりました。
③キャラクターが全体的に優しくなった
つまり、身近にいる人間らしくなった印象を受けました。
パピは、猫を洗脳するのではなく翻訳ゼリーで交渉して協力を仰ぐ。
敵のドラコルルが降伏した際に部下を見逃すように発言したところ。
拉致されたしずかちゃんがパピに助けられた時に引き返したところ。
巨人化したジャイアン達が敵を倒す時も、無人戦闘機だから思う存分ぶっつぶすことができたこと。
スネ夫が敵の襲撃から走って逃げた時、しずかちゃんはスネ夫の靴を持って拾って行ってあげた(旧作では靴は捨てられたまま)。その靴が、スネ夫が一歩を踏み出す背中を押してくれた。
さらには、独裁者ギルモアすらも人を信用できず、部下ですら「怖い」という感情が描写されました。
ツッコミポイント
ネタバレ無しに加えて、疑問に思ったことがあります。
スネ夫が「夕飯までに帰らないと叱られる」という発言をした時にドラえもんが「タイムマシンで戻れば良い」と返します。
わざわざその発想に触れた時。戦車の改造に時間がかかってしまうという件りをしていました。それであれば改造してから過去に戻れば良い、となるような気がしました。
もちろん、それを言うならしずかちゃんが誘拐される前に戻って助けてしまおう、という話なのですが💦
わざわざタイムマシンを使うというやりとりを入れた意図を、一度見ただけでは汲み取れませんでした…
最後に
やっぱりドラえもんがあると春が来るな! という感覚になります。
少しだけ、ホッとできたのは、スネ夫が「のび太でもできたんだから」といったような趣旨の発言をしたことです。
のび太のことを見下しているというところで、良い言葉とは言えませんが。。
私自身、中高時代に部活を辞めようとしていた時に。自分よりも参加率の低い同級生がまだ続けるつもり、と言っていたことが心の支えとなり部活を続ける決断をしました。それが自分の中で少し後ろめたさがありました。
今回の映画で、のび太はスネ夫を奮い立たせる存在になっているんだと感じ、その角度から物事を捉え直した時に、少しだけ自分もスネ夫でも良いかな、と認められるような気がしました。
【最後まで読んでいただきありがとうございます!】
ぜひ他の記事も覗いていただけると嬉しいです♪