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次の一手-7

以前にも、こんな時代を経験したことがある。
最初はゆっくりと目立たないところから始まって少しだけ空気感が変わってくる。
知らない間に膨れ上がっていたローンやリースが焦げつき始める。
理由は入金されるべきお金が入金が遅れたり、入金されないことが多くなる。だから支払いの時に口座にお金が足りなくなる。
物価が上がるのは本当に初期で、これは企業が自分の身を守りはじめたからに他ならない。その準備のために資金をプールしておかなくてはならなくなる。
気がついた時には借金などなかったはずの自分に大きな借金がのしかかる。
アプリやカードで架空の資金を生み出していた金融機関は突然それらの債務を回収にかかる。

●過去の不況に学ぶことは難しい

戦い方を忘れてしまった人たちはあっけなく破産に追い込まれる。
国の施策のまずさは最初に国民を苦しめるが、最後に銀行を苦しめて金融の崩壊を招く。
多分今が手を打つ最後の期間で、これを逃すとひたすら忍耐で耐える期間が始まる。わずかでも資本を逃がして減らないように工夫しなくてはならない。
以前の不況が20年続いたが、今回は出口が見えない。
これまで強い経済を持っていると思っていた国の経済はたやすく崩壊する。
成長すると思っていた国の経済も足踏みせざるおえない。
以前の不況とは様相が違う。

前の大不況の時は債務の焦付きが始まった。
仕事の売上や企業の給与は減り、みんなが債務の返済に苦しみ出す。
特に中小事業者は多くの債務を抱えており、それらの債務を減免する施策が国から出されなくてならないはずだが、以前の不況と様相が違っているのは
以前は好景気の後の不況だったので国や大きな企業は資本を保持した状況で不況に入ったが、今回の不況は国も企業も資本を保持できず、切り崩さなくてはならなくなる。

●世界の勢力図は書き換えられる

これまでアジアやアフリカの発展途上国に支出してきたODAを削らなくてはならなくなり、ひたすら歳出を抑えてきた中国はODAの支出によってアジアでより大きな力を持つだろう。紛争を起こして国力を低下させたロシアは中国の庇護下でしか活動できなくなる。中国に統治されるロシアになる可能性もある。

アメリカと西欧諸国は植民地時代のようには世界をリードできず、国力を落とすだろう。これらの国々にとって必要なのは国民全体の教育であり、中国のような一部の富裕層だけの教育の偏りではなく、もう一度国家戦略としての教育を考え直す必要がある。

●教育が新しい経済圏のヒントとなる

企業内でのリスキリングがようやく進みつつあるが、大学などの教育機関に頼らないwebでの相互教育システムといった仕組みづくりが急がれる。
大企業や教育機関はその仕組みづくりにとっては障壁となる。
国内企業の枠組みにとらわれない新しいwebを利用した世界的な枠組みが必要になり、デジタル事業に良好な環境を与えられる地域を中心とした新しい経済圏が生まれようとしている。
UAE、シンガポール、スイス、台湾・香港を中心としたアジアのデジタル先進国が地勢的な束縛を離れ、新しい経済圏を本気で作るのならこれまでの国家の概念とは違った新しい経済圏が生まれるに違いない。
web3の出現とDAOの形成がその最初のきっかけになるのだろう。

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