見出し画像

元フリーランスによる、ティール組織についての「学びと実践」の軌跡シリーズ〜その2〜組織での気づき編

はじめに

この記事は、ティールという取り組みについて、経営者やマネージャーという立場からではなく、その取り組みを試みている組織の①外部サポーターや、②いち社員、そして③このテーマに強く関心を抱く、いち社会人といった立場の私の感想・学びの軌跡について書いています。

Learnig Journey Share シリーズ〜ティールと私編〜の2回目です。

今回はフェーズ2(2018年6月〜2019年秋)についてご紹介します。
 
もしタイトルをつけるならば「ティールを標榜する組織で働いて感じたこと」でしょうか。
 
また、この記事に関しては以下の点をご留意ください。

■私のステータスについて
・私はイチ中途社員、イチプレーヤーとして入社しました。(なお、前回会社員だったのは10年以上前かつ、在籍が2年程度でした。その時の規模は社員数1000名くらいでした。短い在籍とブランクのために、典型的な日本型企業の常識が分かっていない人です。)
 
■組織について
・会社の規模感は、正社員数100名以下です。
・私が入ったタイミングは、ティール的な制度を導入して数ヶ月が経ったところでした。(今振り返ると、この導入とは主にはティール組織の持つ3つの特徴で言う、自主経営に関する環境整備だったという印象です。)
・会社の当時の状況などは一切でてきません。
・そのため、その環境・状況の中で感じたことや新たに生まれた問いについて書いています。
・気づきメモなので、非常に属人的な内容です。

当時書いていたメモをご紹介します。

メモその1「法人の精神年齢について」

(マニアックご注意)
 
個人という単位で言うならば男女性のバランスや精神発達の段階がある。
 
私は「法人にも同じものがあるのでは?」という仮説を持っていたのですが、会社で働き始めてみて「むむ!これはありそうだぞ!!」と思い始めている。
 
とはいえ、まだプロファイリングして言語化できるレベルではないし、例えば、男女性のバランスが偏っていたとして、どういうベクトルに整えていけばいいのか。
 
この組織が精神発達のどの段階にいるのか、それはまだ分からない。今はまだわずかな感覚レベル。
 
個人間のパートナーシップにおいては「思考で繋がる」「感情で繋がる」「精神で繋がる」ステージがある。
 
精神で繋がるステージはもしかしたらティールなのかなと思うけれど、それは従来の会社組織とは一線を画していて、もはや会社であり、村であり、といった境界線のないものなんじゃないかという仮説を持っている。
 
感情のステージは大きく分けると情のステージと感のステージがある。
 
情は青い心であり、成熟していない心である。反応、投影が生まれる。
 
その情を抑えるのではなく表現したり、統合していくことを通して情は成熟していき、出来事の周辺に左右されるのではなく芯を観ることができる。
 
そうすると、個人間で言う愛のステージに行ける。
 
とりあえず浮かぶままに書いてみたけれど、まだまだ。
 
ティールの書籍を読みまくったり、研究会に参加させていただいたりしたけれど、「外側からでは何も分からん!」「己はどうありたいのか?」「当事者でありたい。」
 
そんな想いから、ティールを体現しようとしている会社に入り、たくさんの刺激を受けています。
 
そういう意味でも入って良かった。
 
言ってる人よりやってる人、やってる人よりできてる人
自分にとっての生命体としての組織を体現する。
 
そういう観点からも日々やっていきます!!

メモその2「自主性とは何だろう」

もし、入社日になって、最低限の説明で終わってしまい、次に何をどうすればいいかのレクチャーもないまま、担当の人がいなくなったとしたらどうするだろう。
 
▼もんくをいう:「なんだこの会社!話が違うじゃねーか。文句言ってやる。」
▼はらをくくる:「なるほど。これは自分で取りに行くしかないってことか。あの、すいませーん!」
 
後者を原始時代に例えると、(なんでや)「ヤベー!誰かがくれるわけじゃないのね!自分で肉取るしかねーじゃん!」といってスイッチが入ったイメージ。
 
自主性とは何か、というとこの原始時代におけるこの場所で俺は生き残るぞ!というスイッチみたいなものな気がする。
 
一番いいのは、このスイッチが入っている人に入社してもらうことなのかもしれないけど、スイッチが入っていない人が入社のタイミングでスイッチが入ったら、後から自主性をどうするかってやらなくてすむ気がするなぁ。
  
私は人と人、人と組織において最初の関わり始めがすごく重要だと思っていて、「ボタンの掛け方」という表現をしている。
 
この最初のボタンの掛け方が、その後の関係性に大きく影響すると思っているので、ここについてはもっと考察してみたいところ。

メモその3「組織のリーダーは周囲にできると信じさせる力を持つべき!?」

組織のリーダーとは周囲に「できる」と信じさせる力を持っていることが大事なのではと思っている。
  
そのできる、と信じさせる力は想いだけではなく、できる状態に近づいていると具体的に感じられる仕組みを築くことと実感を持たせられることも同時に必要かなと。
 
みんなが「できるかもしれない」といい錯覚をし、その錯覚を現実のものにするための仕組みを築き、日々の取組みの中で実感が増していく。
 
この歯車がギュンギュン回ると、みんなの「できるかも」が、「できるに違いない!」に進化し、ビジョンの実現も加速していくのかも。
 
そんな風に感じている。
 
ちなみに 正直なところ、主語が組織のリーダーっていうのには違和感がある。
 
誰が主語であってもよくて、大事なことは組織において、この働きが埋もれることなく、発見され、承認され、促進される文化があること。
 
そっちの方がいいんだろうなぁって思う。

メモその4「人事評価システムについて思ったこと」

個人のデイリーの取組み(主に定性面?)を記録し、それをウィークリーで深堀りし、マンスリーでまとめあげ、クオーターで個人のキャリアをアップデートする。
 
それに伴って組織と新しいアライアンスを組む。
 
そしてまた次のクオーターが始まる。
 
それが個人だけではなくてクラウド的にシェアされててみんなの成長やビジョンや方向性、そして会社とのアライアンスが可視化されてる。
 
同時に会社の進化し続けるビジョンやこういう人材、仕事あるよー!が常に共有されてて、それを基に社員は自身のキャリアデザインを行う。
 
そこに相互にコメントしあったりもできるし、場合によっては資源交換もなされていく。
 
何となくティール組織の人事システムってそんな感じなのかも!?
 
これは似てるんじゃない?など、あれば教えて欲しいでーす!
 
私は人事ではないのですがちょいと今やってることの関係で知りたくー!!
 
【雑談】 
事業というのは得てして数値の巡りをいかによくするか?というフォーカスはあるけれども、そこに生まれる物語の巡りをいかによくするか?というフォーカスは弱い気がする。
 
上記の仕組みは、物語のエコシステムづくりなのかも!?
 
まぁ、私は分けて考えちゃってるけど数字と物語をセットで捉えてエコシステム化できるかどうかっていうのがあるんだろうなぁ。

メモその5「心理的安全性と定義づけについて」

心理的安全性は大事だけど「何に心理的安全性を見出しているのか?」の基準・価値観の定義をすることがその前に大事だなって思う。
 
人は自分の過去の延長線上の安心の定義に引っ張られているから。
 
その人のエゴに都合よく心理的安全性が使われることは、
 
コミュニティがただの馴れ合いになって停滞することに似ている気がする。

メモその6「個人と組織の関係性について」

自ら信じるとあなたから信じさせてもらうの交差点に「(一緒に)信じられる」があるのかも。
 
個人と組織の関係の話。
 
信じさせてもらうばかりを求めると不平不満になり、結果として個人のパワーを失う。
 
一方で、自ら信じるだけでは孤立していき、組織のパワーを失う。
 
大切なことは、信じると信じさせてもらうの待ち合わせ場所まで行くこと。
 
「信じられる」は常にあってその待ち合わせ場所まで行くだけかもしれない。
 
一方で「信じさせる」をしてもらうために働きかけることも大事。
 
このプロセスは「個人か組織か」という分離ではなく、「個人は組織」であるための通過儀礼なのかも。

メモその7「組織に存在する2つのタイプの人材」

「自主的に動いていい」という環境の中で、そもそも自由に動き、判断し、ということが分からない人と、できる人がいるように感じる。
 
前者を「自主的が分からない人」後者を「自主的ができる人」とひとまず置く。
 
その違いを作っているのはこれまでの経験だ。
 
私の部門が営業部だったからか、後者の「自主的ができる人」は、「過去にトップセールス・MGRだった経験がある」or 「フリーランスだった経験がある」だった。
   
一方で、自主的が分からない人(この分野についてこれからの伸び代がある、言い換えれば可能性を秘めている人)たちにとっては、単に自主的に動いていいと言われるよりも、適切な階段(ピラミッド)を用意してもらい、今自分がどこにいるのか?次はどこを目指せばいいのか?そのために何をすればいいのか?が分かった方が、精神衛生上もいいのではないかと思うようになった。
 
これらの感覚から、組織内のルールは、自主的ができる人ベースで設計しながら、自主的が分からない人のための具体的なステップも用意しておくのが移行期?には大事なのではないか?と思った。
 
つまり、フラット(○)だけにするのではなく、階層(△)も同時に存在させるということだ。

メモその8「組織におけるスキルピラミッドについて」

ティール組織では役職の階層はないけど、スキルレベルには違いがあると書かれていた。
 
これを可視化できた方がいいんじゃないかと思って、スキルピラミッドなるものを作るのはどうだろうか?と思ったけど、
 
あれ?営業成績って順位がついてるしスキルピラミッドそのものかもって思った。
 
でも、個人的には何か違うんだよなぁって思う。
 
営業成績だとあくまで個人にフォーカスがいくけどスキルピラミッドだとあくまでスキルにフォーカスが行く。
 
それが意識にいい風に作用するんじゃないかなぁ。
 
コミュニティは横軸(関係)が強くなり過ぎると停滞して、縦軸(成長)が強くなり過ぎると崩壊する。
 
だからこそ、山を作ることが大事なのだけどその山を個人に紐づけ過ぎるとカリスマとか、ティールでは好ましくない階層ができてしまうように思う。
 
個人とスキルは不可分だけどあえて分けて捉えられるようにすることで(人格者でありハイスキルな方の観点) フラットかつ、ピラミッドな組織が実現しやすくなるのではないかなぁ。

さいごに

上記はいずれも書いた当時のまま載せました。
 
いずれもティール組織関連本をほとんど読み直さずにしている考察なので、また読み直した上で上記の考察を検討する記事も書きたいと思いました。
(こうやってどんどんシリーズの記事が増えていく 笑)
 
ちなみに、上記のメモはいずれも2018年中に書いたものであり、2019年になると人生レベルで色んなことがあったので、このテーマに関連する気づきのメモを残す機会がグンと減りました。
 
再び、ティールに関して目を向けるのは2020年になってからとなります。
 
>続きはこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?