想像力は使えば使うほど鋭敏になる【まんがで納得 思考は現実化する/ナポレオン・ヒル財団】
【おさらい】ナポレオン・ヒルって何した人?
ここでことさらにプロフィールなどを紹介する必要はないと思うが、〝ナポレオン・ヒル〟という名前を聞けば、
「【思考は現実化する】?知ってる知ってる!ナポレオン・ヒルだよね!」
とすぐさま頭に浮かぶ人は多いと思う。では、ナポレオン・ヒルがどういった経緯でこの本を出版したのか?と問われたら、答えられるだろうか?
私を基準にして申し訳ないけれど、私と同様に「改めて聞かれると・・・」と一瞬怯んだあなたのために、おさらいをしておこう。
(言わずもがな・・・!な人は飛ばしてください)
ナポレオン・ヒル当時25歳。駆け出しの記者だった頃に、鉄鋼王として大成功をおさめていた当時73歳のアンドリュー・カーネギーを取材したことが運命の出会いとなる。カーネギーは、事業で得た財産以上に自分が編み出した成功哲学を最も価値ある財産だと考えていた。そのため、その成功哲学を多くの人々に利用してもらうことで、万人が巨富を築くことができるよう体系化する仕事をヒルに与えたのだった。
世界で一億部突破のベストセラーをまんがで!!
「思考は現実化する」というキーワードをもとに、架空のストーリー仕立てでその哲学を学ぶことができるのが、この本、【まんがで納得 ナポレオン・ヒル 思考は現実化する】である。
先ほどの引用部分にあった〝園部さん〟も、この漫画に登場する重要な鍵となる人物である。表紙に描かれた主人公・麻由(27)が「思考は現実化する」という成功哲学を実践しながら、OLから起業家へと成長していく。登場する人物像もまんがでよりわかりやすく、あっという間に読むことができた。
伝えたい骨子は本家と同様
まんが部分と、成功哲学について文字でまとめている部分とがバランスよく配置されている。巻末には、17のゴールデンルールのまとめとそれに関連したページの索引も掲載されているため、500人もの成功者にインタビューして編纂された本家の内容を理解しやすい。まんがの作品としてストーリーを追いながら最初から読むもよし、ゴールデンルールの気になる項目から解説ページに飛ぶもよし、といった方法も可能だった。
改良的想像力と独創的想像力
私自身は「思考は現実化する」と聞くと、これまではいわゆる〝引き寄せ〟的な考え方を想像していた。思っていることは現実になるのだから、より良い理想の未来を思い描かなければ・・・!という風に。しかしその言葉は、ふわふわしたイメージではなく、カーネギーの成功哲学をもとに実際に成功した500人の体験談の集合体から生まれているのだ。となれば、イメージとして思い描くことにはとどまらない。実践してみることによって確かな一歩を踏み出せるのではないか?という希望に満ちた言葉として、その存在に確信を持てるようになった。
想像するものは必ず実現できる
人間には想像力がある。そして本書では、人間が想像できるものは、必ず実現できる、としている。その想像力には〝改良的想像力と独創的想像力〟という二つの型があり、特に独創的想像力は使えば使うほど磨きがかかってくる、という。その力は、頭を使ってコントロールするものではなく、強力な願望などで心がワクワクしている時などに発揮され、しかも、使えば使うほど鋭敏になるというではないか・・・・!選択に迷ったときは「ワクワクする方へ」という説もあるが、それがまさに独創的想像力が発揮されている時・・・!!人間の心が急速に回転している時に発揮される力なのだ、と本書には書かれている。ワクワクした上に、望んだことをどんどん実現するエネルギーが拡大する・・・!?だったらもう、「ワクワクすることしかしなければいよい」のではないだろうか?大賛成!!!
人生の戦いに勝つのは
最後に、一編の詩が紹介されていたので、ここに引用する。信念は意欲で育つ。その信念は、全く何もないところから生まれた時点ではニワトリの卵のような状態で、温めてあげないと育つこともない。それを育てるのが本人の意欲だ、という。初めは根拠もなく心許ない信念も、成功原理などで温め、少しずつ自信や意欲を持つことで育まれていく。肯定的な思考があればプラスに働くし、否定的な思考を持つとマイナスに作用するのだそうだ。この意識を保ち続けるための詩を心に留めておこう。
おまけ「書ける人の可能性」がここにも!!
さて、最後に「書くことを仕事にしたい」と思っている私のような人へ、元気になれるエピソードを追記する。
カーネギーの成功法則の編纂を成し遂げたことで大成功をおさめたヒルのその後。50歳になった1993年から3年間、フランクリン・ルーズベルトの補佐官を務め、大恐慌時代を乗り切ろうと腐心する大統領を補佐し、演説の草稿を書くなどして活躍したそうだ。54歳の時には、「思考は現実化する」を発行し、成功哲学の普及に努めた。新聞記者として「書くこと」から人生の成功の階段を登り始め、草稿を書く、本を書く、などして、「書くこと」が彼の人生に大いに貢献したことも、私たちの意欲を育ててくれるエピソードの一つになるのではないだろうか?