【前編】スローなコーヒーのあるライフスタイルを届ける
今回登場してくださるのは、SlowCoffee代表の小澤 陽祐さん。オーガニックコーヒー豆をフェアトレードで輸入し、自社で焙煎しています。生産者の生活を守り、自然環境にも消費者の健康にも配慮した、高品質なコーヒー豆を販売しています。
近年、コーヒーの消費量は世界的に拡大していますが、その一方で気候変動や生産者の貧困問題等の課題も抱えています。世界第4位の消費国である日本では、一人あたり1週間に11.53杯ものコーヒーを飲んでいるそうです。※1
※1 出典:全日本コーヒー協会 『コーヒーの需要動向に関する基本調査』 より
https://coffee.ajca.or.jp/data/statistics/
今回は、コーヒーを通じて、なぜオーガニックでつくるのか、フェアトレードという仕組みが必要かを伝えている小澤さんのストーリーをお伝えします。
松戸の自然の中でのびのび育った少年時代
小澤さんは千葉県松戸市で生まれ育ち、カブトムシ虫を捕まえたり、毎日野原をかけまわっている生き物が大好きな小学生だったそう。高校からは都内に出て、大学進学したものの、やりたい仕事が見つからないまま就職せずに大学卒業後2年間はアルバイトをしながら生活していました。
そんなときに通っていた大学の先生から声をかけられ、NGOの立ち上げに参加します。
「ナマケモノ」から教えられたこと
こうして、小澤さんは、環境=文化NGO「ナマケモノ倶楽部」と出会います。
ナマケモノ倶楽部は、環境運動+文化運動+ビジネスの3つの要素をうまく融合させていくことがよりよい社会をつくるというコンセプトのNGOでした。そして、そこに集まった仲間で会社を起業し、社会課題を解決していこうという団体でした。
その集まりで聞いた「ナマケモノ」の話に小澤さんの心が動きました。
ナマケモノは、「怠け者」と人間が名付けるくらい動作がゆっくりな動物ですが、最近の研究では、ただ怠けているというわけではない!ということがわかってきたそう。
ナマケモノは、葉っぱをたべて暮らし、木の根元に半日くらいかけてゆっくり降りていって、穴をほってフンをします。その木からもらった栄養を木に返して、木を守り育てているのです。さらに毛むくじゃらのなかにたくさん生き物がいて、木と生き物と共生しています。そもそも動きがスローなのはエネルギーを消費しないため、そういう生態がわかってきたというお話でした。
こうしたきっかけから、小澤さんはそこに集まっていた自分をふくめた3人の若者で起業することになりました。
なにもかもが初めて、学びながら伝えていきたいことが増えていった
当時の小澤さんは、「売上ってなに?」の質問に答えられないほどであったそう。もちろんオーガニックもフェアトレードも知らないところからのスタートでした。
3人でコーヒーを焙煎してみても全然違うものができたり、想定外のことばかり起こっていたそうです。それでも3人はNGOのバックアップをもらいながら、オーガニックやフェアトレードのことも勉強して、コーヒーが実はアンフェアであることや、農薬のことを知り、徐々に変化していきました。
一方で、起業された当時と今では世の中の感覚が全く違ったとも小澤さんは教えてくださいました。SDGsという言葉をいたるところで見かける現在とは違い、環境保護への関心も実際の活動もあまりうまくいっていないと感じたそうです。
こうして、「ポップに、たのしく、おしゃれに、おいしく、親しみやすく!」という新たなスタイルでの課題解決をしていこうと現在のスローコーヒーを立ち上げました。
後編では、小澤さんが大事にされている想いや今後のビジョンをお伝えします。
次回もお楽しみに。
SlowCoffee関連情報
HP:http://slowslowslow.com/
Instagram:https://www.instagram.com/slowcoffee_roasters/
※この記事は、LIFESTYLE More(web版)からの転載です。
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