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【後編】ヴィーガンエコラップ「Earth Wrap」で楽しく自然環境を守ろう!一人ひとりの選択が鍵に

【脇 光範(わき みつのり)】Classic Organics代表。名古屋の大学に在学中、オーストラリアへ留学。食品メーカーで勤務した後、オーストラリアでの生活を経て2016年にナチュラルフードブランド「NATURE THING(ネイチャーシング)」を設立。2020年8月には日本初の植物性エコラップブランド「Earth Wrap(アースラップ)」を立ち上げる。

今回わたしたちのnoteに登場してくれるのは、植物性の素材のみを使用した日本初のヴィーガンラップを生み出したClassic Organics代表の脇 光範さんです。

前編では脇さんの歩んできた今までの人生を通して、情熱を注いでいるヴィーガンラップが誕生するまでの出会いやきっかけのストーリー、そして、身近な環境課題に気づかされるきっかけをお話をしていただきました!

後編では日本初植物性のフードラップブランド「Earth Wrap(アースラップ)」の立ち上げ当初のエピソードと、ブランドに込めた想い、脇さんの考える環境保全への取り組み方をお伝えします。

ヴィーガンラップで思い出の海を守る

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エナジーバーの原料となる取り引き先の農家さんとの交流と、ご自身のお子さんに自分が体験した自然を残したいという想いから、自然環境を守ることが自分ごとになった脇さん。

もともと海が大好きな脇さんの祖父は、漁師をしていたんだそう。幼少期は、伊勢海老は「食べ放題」。しかし、脇さんが30代になったころには、伊勢海老も少なくなり、そこで海が変わっていることを実感しました。

さらに、サーフィン好きな脇さんが思い出したのは、以前は夏の星空がもっときれいだったこと。でもいまは、地元の海でさえ水深が浅くなってしまい泳げなくなっていること、そしてその海にはプラスチックゴミが沢山あること。

海洋プラスチックゴミを減らすにはどうしたらいいのか考えた脇さんは、使い捨てのプラスチックを減らしていきたいと単純に思ったんだそう。

「エコバックの実際の効果はわからないです。でも、ひとつでもできることをやっていこうという取り組みとして、とてもいいと思ったんです。」

レジ袋を減らそうとエコバックを使う取り組みが広まってきている今、次に減らせるものとして思い浮かんだのは「ラップ」でした。

まだ小さく個人事業主としてやっていて、自分が発信できる影響力は小さいと考えた脇さん。自分に何ができるかなと思った時に、「ものづくり」で想いを発信することにしました。

「正しさ」でなく「楽しさ」で伝えたい

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エコラップはプラスチック製ではなく、環境に優しい素材で作られたラップのことをいいます。エコラップは柄・使い方など、見て可愛い、テンションがあがるから楽しく使い続けることができると考えた脇さん。

「自分ごとになるためには、『楽しい』ことが大切。楽しみながらエコラップを使っていく中で、大事なことに気づいてほしいなと思ったんです。」

「気候危機だ」と世の中で叫ばれていてもその重要性が伝わりにくい現状。一人ひとりにとって自然を守ることの大切さが「自分ごと」になることが重要で、自分ごとになるためには楽しいことだと思ったんだそう。

「日本人は真面目ですよね。少しでもミスしてしまうとダメだという風潮があるなと感じます。」

「昨日の自分より1つでも良くなっていたら達成」「やらないより少しでもやったらいいじゃん」と、100点でなくても80点でもいいよねという発信をしたいと話してくれました。

エコラップを使ったからといってすぐに自然環境が良くなるとは思わずとも、一人ひとりが行動して大きな流れになることで、自分が貢献しているという意識を持ってほしいと願っている脇さん。使い続けていくなかでの気づきをそれぞれが得られるように、エコラップを作っていきたいと脇さんは考えています。

「Earth Wrap」でお母さんたちの不安を取り除いてあげたい

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「Earth Wrap」の大きな特徴は、植物性ということ。

本当は蜜蝋(みつろう)のしっとりとした柔らかさをだせる性質がエコラップの性能としては一番適しているのだそう。ですが脇さんは植物性でエコラップを作ることを決めました。そのきっかけは、息子さんと奥さんの存在があったからなんだとか。

「1歳未満の子どもは、乳児ボツリヌス症を発症する恐れがあることから、ハチミツが摂取できません。蜜蝋もその可能性がゼロとはいえないんです。」

母親は子どもを少しでも守りたいと思うもの。その想いを少しでも応援したいと思ったことから、植物性エコラップを作ることにこだわったという脇さん。

当初はどこにも植物性エコラップのノウハウがありませんでした。蜜蝋ラップよりも配合が難しく、たくさんテストを繰り返して販売できるクオリティまで持っていったんだそう。
実は今でもテストを繰り返していて、日々アップデートしているのだとか。

企画・製造からデザインにいたるまで、すべて脇さん一人で作ってきたエコラップ。トライ&エラーを繰り返して、光るものがあれば地道にすくい上げて完成されたのが植物性エコラップ「Earth Wrap」なのです。

自然をできるだけそのままで残したい

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最後に、脇さんのビジョンをお聞きしました。

いまの世の中は、自然を減らすことでしか発展していないと感じている脇さん。もうこれ以上自然を壊さないでいたい、減らしたくないと話してくださいました。

現在、脇さんは静岡県浜松市を拠点にしています。浜松市は海岸に何十キロという長さの高い防潮堤を作っており、元あった海岸がなくなっているそうです。

「確かに人命は大切かもしれません。しかし一方で、ビーチが湖岸工事のためコンクリートで埋められる。そんなことが日常で起こっていることを多くの人は知らないんです。」

自然な状態で残っている砂浜は実は大きく減少しているのだとか。ビーチの豊かさが自分ごとでない人が、ビーチの減少に気づかないことは当たり前かもしれません。ですが、気づいたときにはもう手遅れという状況がありえる。そういうことが起こっているんだとみんなに知ってもらいたい、できればそういう状況をなくしたいと脇さんは願っています。

「わたしは自分にできることしかやらない、自分の手が届かないことはやらないんです。工夫と努力でできることをやっているから実現できているんだとおもいます。」

そうお話してくださった脇さんは肩の力を抜いて、それこそ100点を狙わずに今できることを一つずつ行動していてとても生き生きとしていました。
大きなことではなく、今自分ができることでいい。楽しみながら、一つずつ行動を変えていくことが、豊かな地球を守っていくために大切なことなのだと、脇さんから教えていただきました。


脇さん、貴重なお話をありがとうございました!


Earth Wrap 関連情報
HP:https://www.earthwrap.jp/
ECサイト:https://earthwrap.base.shop/
Instagram:https://www.instagram.com/earthwrap.official/
Facebook:https://www.facebook.com/earthwrap.official

次回もお楽しみに!

※この記事は、LIFESTYLE More(web版)からの転載です。

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