恋愛の沼から抜け出せないという君へ。
恋愛がつくる、漠然とした不安の正体。
君は、心のどこかで、
いつも自分に漠然とした不安を抱えてるのかもしれないね。
恋愛がなぜ、あんなに楽しいのか。
失恋がなぜ、あんなに辛いのか。
それは恋愛というのは、「私」を喜ばせる史上最強の「手段」なんだ。
「私」というのは、つまり「自我」のこと。
自我の目的は自分を一定に保つことであり、自分を守ろうとするシステムなんだ。
そして、自我にとって、もっとも重要なのは「私」なんだ。
「私」が一番大事で、
「私」が最も価値ある存在で、
「私」のことを最も慈しむべき存在として、
そのように、この宇宙の中から「私」を抽出する評価関数なんだ。
そして恋愛というのは、その「私」を、
「世界で1番の存在だ」って言ってくれる人が現れるってことなんだよ。
「君のことが世界で一番好きだよ」
「僕には君しかいない」
「君だけが僕の女性だ」
なんて甘い言葉を囁かれたら、
もうこの「自我さん」は嬉しくて嬉しくて仕方がない。
この「私」は、「自我さん」は、世界で一番「私」が大切で、そして、相手も同じように言ってくれる。
もうそれだけでとてもとても嬉しくて、
こんなに自尊心が刺激されることはないよね。
気分がとても高揚し、そして同時にとても安心するんだ。
特に、自分という存在に、心のどこで漠然と強い不安を抱えている君だから、恋愛沼にハマるんだ。
自分という存在に不安を抱えているから「私」が「私」を安定させるために、「私」を一番だと言ってくれる存在を求めるんだ。
君が求めているのは「愛」でもなく、「彼氏・彼女」でもなく、「私を一番だと言ってくれる存在」であり、「自分を安定させるための手段」なんだよ。
失恋がつくる、苦しさの正体。
そして、失恋がなぜあんなに苦しいのか。
それは、「相手」を失ったことが苦しいのではなく、
「私を一番だと言ってくれる存在」を失ったことが苦しいんだ。
これまで君が「相手」と付き合ってきた記憶というのは、
「私を一番だと言い続けてくれた記憶」のことなんだ。
そして、失恋というのは、それを丸ごと失うこと。
「私」からそれを引きちぎること。
その「存在」、そしてその「記憶」を持ってして、
安定していた「私」から、「自我さん」から、その存在を切り離したこと。
「私」から、身体の一部をひきちぎったこと、失ったこと。
これが失恋が苦しくて、痛い理由なんだ。
失恋の本質は「パートナー」を失うことではない
「自我さん」は、自分を一定に保とうとして、
自分を守ろうとするシステムだと言ったね。
自分が一定に保たれることに「安心」を感じ、
これが壊れることに「恐怖」を感じるようにできている。
つまり、今の「安定」を壊すことは、強い「恐怖」であり、
壊れることは強い「痛み」を伴うんだ。
失恋の本質は「君のパートナーを失うこと」ではない。
君が失ったのは「私のことを世界で一番だと言ってくれる存在」
のことなんだ。
それを失って、「私」が不安定になることが、苦しいんだよ。
「観察」が、奥底にある「不安」を除くはじめの一歩
恋愛の沼から抜け出せない君へ。
君を突き動かしている「強い力」を、
この「私」の動きをよく観察してみるといい。
君が欲しいのは彼氏じゃない。
運命の相手でもない。
「自分の不安」を埋めてくれる存在なんだ。
そして、この「得体のしれない不安」がなんなのか?
どこからきているのか?
この不安をどのように自分は体験をしているのか?
これをよく観察するといい。
この「観察」をする瞑想、
自分がどのようにそれを体験しているかの気付く瞑想を、
ヴィパッサナー瞑想というんだけど。
瞑想じゃなくても構わない。
感情の日記を書くだけでいい。
の順に書いていく。
6番までかけたら、その「結果=次の出来事」となるので、
そこから同じく2,3,4,5,6と同じようにぐるぐる回していく。
そうやって、ひたすら言語化しながら、自分の中をよく観察すること。
そして、最も大事なことは、
その「2.認知」に関する「自分の中の前提」をよく見つめること。
関係性への依存ではなく、真のパートナーシップを
自分が心の中にどんな「心の前提」を持っているか?
この「前提」のことを心理学では「信念(ブリーフ)」というんだけど。
この「信念」とそれを作り出した「情動記憶」が、
君の「得体のしれない不安」の正体なんだ。
この「信念」と「情動記憶」のセットが、潜在的に、君にネガティブな未来を描く、もしくは過去の出来事をフラッシュバックさせる、妄想中毒にさせている。
「私」は、つまり「自我」のシステムは、この「信念」に基づいて動いている。この「信念」を元に、自分を一定に保つように機能している。
だがら、自分の心の動きを、よく観察して、気付くといい。
そこに気づけたら、自分の得体の知れない不安とよく向き合えたら、
君は恋愛の沼から自然と抜け出していくよ。
そして、その沼から抜け出せた君は、破壊的な恋愛を辞め、
「共依存」から「相互依存」にシフトし、
自然と素敵な恋愛をし、もしかしたら結婚し、そしてやはり、いつかは別れるだろう。
「出会い」と「別れ」はセットだからね。
今この瞬間に変化する、劇的なる私たち。
僕たちはいつのまにか、これからもずっと今が続くのだと思い、でも現実には絶えず変化し続ける世界があり、絶えず変化し続ける自分がいる。
変化し続ける自分の肉体、思考、感覚、知識、認識。
ずっと変わらないと思っているのに、
現実には絶えず変わり続けるから、
そのギャップが心の苦しみを生む。
変わらないように見えるものも、
それはいわゆる動的平衡状態というやつで、
常にダイナミックに動き続けているからね。
君が今スマホで使っているその親指をよく見てみてほしいんだけど、
その親指では今この瞬間も絶えず細胞の分解と合成が行われている。
結果として、変わらないように見えてるだけでダイナミックに変わり続けている。
人間関係やパートナーシップも同じだよ。
今日も楽しんでいこう。